商業施設新聞
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No.445

最後の振袖


今村 香里

2014/2/18

 最近の休日を振り返ってみると、また友達の結婚式に出向いている。

 この2月で友人の結婚式に出席するのは8回目を迎えた。歳の近い従姉妹3人の結婚式を合わせると11回目だ。我ながら多いと思う。こうも多いと何の為に働いているのか分からなくなる。しかし、当分続きそうだ。

 結婚式に着ていく服装も毎度悩む。今回は受付を頼まれたので、思い切って振袖を着ていくことにした。受付をするためでもあるのだが、これが20代最後となり、振袖を着るチャンスがもうないだろうと思ったからだ。

 振袖は、成人式の時に祖父と祖母に買ってもらったものだ。地元の呉服屋に行って祖母と選んだ。振袖の色はピンクの花柄で、帯は黒をベースに金色の蝶をあしらっている。29歳にもなると、さすがに当時の自分のお姫様センスに泣けてくる。30代で未婚だったとしてもこの振袖は着られない。この日で見納(着納)めだ。

ピンク×黒×赤の斬新な組み合わせ。この日は京都駅のグランヴィアで挙式&披露宴だった
ピンク×黒×赤の斬新な組み合わせ。
この日は京都駅のグランヴィアで
挙式&披露宴だった
 着付けの時、私が「今日が最後かも」と言うと、着付けのお姉さんが、派手めに帯を結んでくれた。変わり結びというものらしく、今までは後ろで帯がどのような形になっているかあまり気にしなかったが、この時の帯の出来栄えには満足した。

 受付をした友人と2人で振袖を着たのだが、「色々準備が大変だったけど良い思い出になった」と言い合い、写真を撮りまくった。和装好きの新婦にも喜んでもらい、本当に着て良かったと思った。今度、着物を着る時には、ピンクは卒業して、もっと落ち着いた着物を着よう。

 この振袖を着た回数はトータルで7回。成人式、友人の結婚式、大学の卒業式、従姉妹の結婚式2回と今回だ。これだけ着れば、レンタル代くらいにはなっていて、元は取れているだろうと電卓をたたいてみる。何でも元をとろうと考えてしまうケチな私なのだが、結婚式にこんなに行っておいて、果たしてご祝儀の回収はできるのであろうか(悩)。とにかく一生懸命働かなければと自分に言い聞かせているが、働けば働くほど婚期が逃げていく気もする……。
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