商業施設新聞
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No.1044

続々と生まれる新業態


若山智令

2026/2/17

 新業態の取材に行くことがある。その企業の新しいチャレンジとして生まれた店舗を取材するのは楽しく、担当者も熱をもって語ってくれる。「新業態1号店」として華々しくデビューし、その後2号店、3号店と増えていくと、生まれたときから成長を見守ってきた親戚のおじさんのような気持ちになる。

最上製麺 岐阜本店
最上製麺 岐阜本店
 例えば、筆者が取材した新業態で「最上製麺」という蕎麦店がある。最上製麺は、宅配寿司「銀のさら」などを手がける(株)ライドオンエクスプレスが手がけた新業態。2024年12月に岐阜市に1号店をオープンし、蕎麦と寿司(海鮮丼)、天ぷらなどを提供する。蕎麦は岐阜のソウルフードとされる、中京エリア独特の甘みの強い出汁を使用した「冷やしたぬき」を看板商品とし、銀のさらでのノウハウを活かした新鮮な寿司・海鮮丼などが食べられると、中々面白い、そして贅沢な店舗である。オープン当初は季節的なこともあって、冷やしたぬきを前面に出した店舗ではなかったという。そこから季節が進み、暖かくなりはじめた25年5月ごろから冷やしたぬきをプッシュした店にすると、そこから業績は伸び、安定的な数字を残すようになったという。

 最上製麺の取材をしたのは25年8月で、その時に今後の店舗展開については「まだ色々とチャレンジしている段階だが、うまくいけば多店舗化も検討したいし、冷やしたぬきを日本全国の人に広めたい」と話していた。そして取材から約4カ月、1号店オープンからちょうど1年後の25年12月に最上製麺の2号店「一宮三条店」が愛知県一宮市に開業した。同店は1号店での実験を反映して動線設計を工夫したほか、席数も増やすなど新たな取り組みも行った。一宮三条店を新たな土地への出店、首都圏進出への足掛かりとする考えで、今後の展開に注目したい。

 また、回転寿司店を展開する(株)ネオ・エモーションは25年7月に寿司職人育成に特化した新コンセプト店「まぐろ問屋 恵み「鮨道場」横浜ワールドポーターズ店」(鮨道場)を25年7月にオープンした。同店は若手寿司職人の新たな活躍の場として開業した新業態で、自慢のネタを使った寿司がネオ・エモーションの既存ブランド店よりも安価な価格で食べられる。「鮨道場も今後複数店を展開していきたい」と当時担当者が話していた。その際、「鮨道場とは別の、海鮮居酒屋の新業態も考えている。面白いものができる」と言っていた。

 その時の新業態が25年11月に「まぐろ問屋 二代目マル城」としてオープン。1号店は横浜市西区の「横浜平沼店」、2号店は横浜市港南区の「横浜上大岡店」と、早くも2店体制となった。新鮮な魚介、約70種類の日本酒などが楽しめる店舗で、大衆居酒屋として回転寿司店と同様、幅広い客層に来てもらいたいという。新業態の取材時に、次の新業態の話まで聞け、そしてそれが立て続けにオープンするというスピード感のある展開に、ネオ・エモーションの勢いを感じた。取材を通じて知り合った企業や店舗のチャレンジを、これからも陰ながら応援していきたいと思う。
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