新しい路線や駅ができることはわくわくするものだ。私はかねて「蒲蒲線」こと新空港線の計画を楽しみにしており、進捗を定期的にチェックしている。そのたびに「まだまだ先だなあ……」と思ってしまうのだが、いざ完成してみたらあっという間の経過に感じるのだろう。新空港線というのは、ざっくりまとめると東急多摩川線方面から京急空港線をつなぐことで羽田空港への交通利便性を高める計画だ。このうち第一期整備について、羽田エアポートライン(株)(東京都大田区)と東急電鉄(株)は2025年10月に速達性向上計画の認定を受け、38~43年ごろの運行開始を目指し動き出した。
新空港線計画は第一期、第二期に分かれる。このほど事業認可された第一期は、東急多摩川線の矢口渡駅・蒲田駅間から多摩川線を地下化し蒲田駅の地下にホームを新設、京急蒲田駅付近に「(仮称)蒲田新駅」を設けて繋ぐ計画だ。蒲田駅と(仮称)蒲田新駅の間に新空港線および連絡施設を整備し、同設備は羽田エアポートラインが整備・保有、東急電鉄が使用・営業する予定。総事業費は約1248億円という。なお、羽田エアポートラインは、大田区と東急電鉄の共同出資により第一期整備のために設立された第三セクターである。
多摩川にかかる東急線。「蒲蒲線」整備はこれより手前あたりで行われる
ところで、蒲田と一口に言っても、東急線ならびにJR線の蒲田駅と京急線の京急蒲田駅との間は絶妙に離れており、乗り換えにも使われるものの徒歩15分ほどを要する。そのため、この第一期整備による接続は単に空港へのアクセス性を高める役割を担うだけでなく、エアポケットともいえる空間の移動の利便性と効率を向上させる役割もあるのだ。また、新空港線の整備により(仮称)蒲田新駅への東急多摩川線・東横線からの一部乗り入れが始まる。これにより渋谷・新宿・池袋といったターミナル駅をはじめ、東京都北西部・埼玉県南西部からの空港へのアクセス向上が見込まれる。東横線中目黒駅~京急蒲田駅付近までは約23分(現状は約36分)、東横線自由が丘駅~京急蒲田駅付近へは約15分(同約37分)でアクセスできるようになる。このほか、新空港線の整備に合わせて、東急東横線乗り入れの列車が停車できるよう、東急多摩川線多摩川駅および下丸子駅のプラットホーム整備も行う。東急多摩川線は3両で運行しているため、長い列車でも停まれるようにホームに手を加える必要があるということだ。
今後控えている第二期整備は、京急蒲田駅の地下駅を整備し、第一期で整備した(仮称)蒲田新駅から京急蒲田駅(地下駅)を経由、京急線の糀谷駅と大鳥居駅間へ乗り入れることを構想している。第一期と第二期をもって新空港線が完成すれば、羽田空港へのアクセスが一気に向上する。ただ、こちらの計画はもっと先で、スケジュールは未定、検討段階のもようだ。担当事業者として新たな第三セクターが設立されるだろうか。いつの間にか新空港線が完成したそのとき、人生や社会はどう変遷しているのだろうか。線路と同じく、人の役に立てるように、より便利に面白くなっていればいいのだが。