トヨタ自動車(株)(愛知県豊田市トヨタ町1、Tel.0800-700-7700)は、2000年からパートナーロボットと呼ばれるロボットの開発を進めている。1970年代から進めてきた産業用ロボットの技術に自動車技術、電子技術、知能化技術を結集し、社会のニーズに応えていくというプロジェクトだ。パートナーロボット部先行開発室第3先行開発グループ長の池田幸一氏に、これまでの取り組みなどを伺った。
―― 貴社のロボットの事業の概要を。
池田 自動車分野で培った技術を活かし、00年代から「やさしさ」と「かしこさ」を兼ね備え、人のパートナーとして人をサポートするロボットの開発を開始。そのパートナーロボットの実用化ならびに開発力の強化と開発のスピードアップを図るため、05年1月に専属の「パートナーロボット開発部」が社内に設立され、本格的な取り組みが始まった。
現在パートナーロボットは、歩行練習アシストや移乗ケアアシストなどの開発を行う「介護・医療支援」、立ち乗り型のパーソナル移動支援ロボット「Winglet」(ウィングレット)の開発を進める「パーソナル移動支援」、工場などでの製造支援を行う「製造・ものづくり支援」、そして「生活支援」の4領域で研究開発を進めている。
―― 生活支援分野のロボットについて。
池田 同分野のロボットとしては12年に発表した「生活支援ロボット」(HSR=Human Support Robot)がある。介助犬をコンセプトに開発した折り畳み式アームを備えた小型ロボットで、タブレットを用いて直感的に操作できる。手足の不自由な方のために自宅内の離れた場所に移動し、様子を確認したり、落ちたものを拾ったり、物を持ってくることが可能だ。また、ネットワークを活用することで見守りなどにも使用できるため、独居高齢者への対応策としても注目を集めている。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年10月16日号1面)