千住金属工業(株)はMPUやスマホ向けAPなどといったハイエンドロジックのフリップチップ(FC)向けなどの1次実装用途、ならびにBGA・CSPなどエリアアレイパッケージ向けの2次実装用途のソルダーボールで圧倒的なシェアを誇る。鉛フリーはんだでも世界のデファクトを握るなど常に時代を先取りした製品開発が強みだ。同社副理事の奥野哲也氏に話を聞いた。
―― 現在主流の製品群について。
奥野 Sn-Ag-Cuに代表される鉛フリーはんだ(エコソルダー)「M705」を主軸に、100μm径以下のマイクロソルダーボール、2次実装向けのBGAソルダーボールなど幅広いラインアップを擁している。また、最近注目されている3Dパッケージには不可欠なCu核ボールも手がける。
―― 足元の市況は。
奥野 一部のロジックIC向けは伸び悩んでいるケースもあるが、代わってスマホなど売れているセットに搭載されるハイエンドIC向けマイクロソルダーなど好調な分野もある。個数ベースで半導体など電子部品の出荷は増加傾向にあり、アジアを中心におおむね堅調に推移している。
―― SiCなどより高温動作が可能なパワー半導体も登場しています。耐熱性のあるソルダー開発の状況は。
奥野 既存技術だけでは難しいアプリケーションもあり、合金を含めた新しい接合技術などの研究開発にも着手している。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年10月2日号5面)