三井金属鉱業は半導体用パッケージ基板向けのキャリア付き極薄電解銅箔で90%強の圧倒的シェアを誇る。電子材料事業本部長の久岡一史氏に話を聞いた。
―― 電解銅箔ビジネスの主力製品は。
久岡 極薄パッケージ基板用途では業界デファクトとなっているキャリア付き極薄電解銅箔「MicroThin」などの特殊銅箔分野と、フレキシブルプリント基板(FPC)用途、パソコンやスマホ向けなどのHDI基板、および高周波基板向けを中心とする汎用銅箔分野の大きく2分野に分けられる。
―― 足元の受注の動きを教えて下さい。
久岡 当社の銅箔は、スマホや通信インフラといった引き続き好調なセット需要に支えられておおむね堅調だ。6月は一時スマホ向けHDI、FPC向けを中心に一服感が出たが、7月に入ってまた受注に勢いが戻ってきている。
―― MicroThinの特徴は。
久岡 AP向けなどのFCCSP基板向けには圧倒的なシェアを確保している。ライン/スペース(L/S)が40μm/40μmを切ったあたりから、回路形成の歩留まりの改善が基板メーカーの間で課題となり、その解決策として5μm以下で均一な極薄の銅箔に微細な粗化処理を施したMicroThinが注目されるようになった。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年9月4日号8面)