2020年4月の緊急事態宣言発令以降、感染者数の増加とともに街から人が消えていった。そしてワーカーは職場をオフィスから自宅に移し、リモートワーク・テレワークが普及した。その間、パジャマの快適さやリラックス感と、スーツのフォーマルさを併せ持った、オンオフ兼用で使える「パジャマスーツ」がヒットした。
22年2月に第6波として都内の感染者数がピークを迎えてから、徐々に感染者数が減少し、3月には全国で「まん防」も解除され、コロナ収束ムードも手伝って街に人が戻ってきた。そんな折、国内外でテレワークが終息という動きも出ている。EV最大手の米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者は、「在宅勤務を希望する人は週に最低40時間オフィスで勤務しなければならない。それがいやならテスラを退社してもらう」とし、オフィス勤務を命じている。日本企業でも在宅勤務を縮小する動きがみられ、自動車大手のホンダは今年のゴールデンウイーク明けから、週5日の完全オフィスワークに戻している。
22年夏のビジネスマンスタイル
といえるかもしれない?
こうしたことから街にかなりの人が戻ってきていることを実感する。電車は混んでいるし、休日の行楽地も人でいっぱいだ。おまけに今年は梅雨が短く、あっという間に猛暑となった。夏とビジネスマンの風景は、コロナ前の19年以来で、実に3年ぶりということになる。しかしこうした中で見るビジネスマンのスタイルは変わった気がしている。半袖白シャツに黒または紺系のパンツ、そして黒いリュックのスタイルが多く、リュック率が各段にアップしている。かくいう筆者もリュックを使い始めたのだから、間違いなく数字を押し上げているわけだ。もちろん20、21年にもそのスタイルはあったが、ビジネスマンが街にあふれるとその姿が目にとまるようになり、日本のサラリーマンのひとつのスタイルになっていると思わせる。
かつては夏でも背広、ネクタイをする人が多く、喫茶店でアイスコーヒーの愛称である「アイコ」と注文する先輩サラリーマンが多かったが、クールビズ以降、今や絶滅危惧種といえるかもしれない。そしてコロナという2年間の空白の時を経て、くだんのスタイルがウィズコロナ時代のサラリーマンスタイルなのか。かつて外国人からは、グレーのスーツを着ている日本のサラリーマンがネズミとして揶揄されたと聞く。今の姿は何と表されるのであろうか。
かと思えば、7月も中旬にさしかかる今日、ちまたでは「第7波」が叫ばれている。またもや感染を避けてテレワークが再び隆盛を極めるのか。そして第X波明けのサラリーマンスタイルの変化が気になるところだ。