商業施設新聞
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No.824

ワクチン副反応を新たな商機に


山田高裕

2021/9/21

 先日、新型コロナワクチンの2回目接種済みの人の割合が人口の50%を超えたという発表があった。一時は心配されたワクチン接種のペースも、最近は高い水準で安定しており、自分の周りの人も多くが2回目を打ち終わっている。そしてこうした人々の間で共通の話題となるのがワクチンの副反応だ。自分の周りでも、何℃の熱が出た、腕の痛みがどれだけ続いた、かゆみの反応が後から出てきたといった話は盛んに語られた。インターネットでも副反応の話題は鉄板だ。発熱はどれだけ続くのかといったものから、免疫の反応でワクチンを打った後は空腹になるといったユニークなものまで寄せられている。

副反応対策で需要が高まったロキソニン
副反応対策で需要が高まったロキソニン
 同時に盛り上がるのは、副反応対策の話題だ。特に2回目接種の際、起こりやすい高い発熱、倦怠感に対しては、事前に準備をすることが推奨されている。発熱・頭痛に対処するためロキソニンなどの頭痛薬を備えておくといい、スポーツドリンクなどの水分補給手段や、すぐ食べられる食事も用意しておくといいといったものだ。こうした情報はネットや各種メディアで広まり、副反応に備えて皆がロキソニンを買うため、一部薬局、ドラッグストアではロキソニンが品薄状態になったという話もあるようだ。

 かく言う自分も、2回目接種の後は39℃近い発熱を経験し、かなりしんどい状況に追い込まれた。事前に用意しておいたロキソニンを服用し、1日中横になっていたら翌日にはかなり好転したので良かったが、その日は寝ているだけで終わった。こうした副反応に苦しんでいる間、ふと思いついたことがある。事前に副反応が来るとわかっているのだから、自宅よりもより快適な環境で静養することはできないか。例えばビジネスホテルで、よりよく寝られるように工夫された寝具で横になりつつ、掃除や洗濯などの家事の心配なく過ごせたらどれだけ快適なのだろうか。

 今、未曽有の危機にあるホテル業界では、近場での宿泊客を優遇するプランや、テレワーク用のデイユースプランなど、これまでになかった様々なプランを用意し必死に取り組んでいる。ならば、新たなプランとしてワクチン接種者を対象とした副反応静養プランなどを用意してはどうだろうか。これから2回目のワクチン接種を行い、副反応に苦しむ人々はどんどん増えてくるだろうし、また3回目のブースター接種も行われる見通しが示されている。こうした副反応需要は今後も定期的に出てくるだろう。もしこうした副反応静養プランを取り入れるホテルがあれば、是非とも泊まってみたい。
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