オン・セミコンダクター(米アリゾナ州、日本法人=東京都品川区大崎2-1-1、Tel.03-6880-1777)は、エネルギー効率の高いアナログやセンサー、ロジック、パワー、ディスクリート、SoC、カスタムデバイスなどの包括的なポートフォリオを提供する。自動車や通信、コンピューティングから民生・産業用機器、医療分野などの幅広い分野で数多くのトップシェアを持つ製品を展開している。新たに本社日本地区セールス担当バイスプレジデント兼日本法人社長に就任した山下正保氏にビジネスの概況、今後の成長戦略などを伺った。
―― まずはご略歴からお聞かせ下さい。
山下 友人からの強い勧めもあり、営業職として業界での第一歩を踏み出したのが今から約30年前。基本的には営業担当として歩んできたが、バックグラウンドとして学生時代に学んだ電気・電子に関する技術・知識は大いに役立つものとなっている。
キャリアとしては、国内計測機器メーカーの営業担当を経て、1990年に日本鉱業に入社。同社が米国のグールド社を買収し、子会社に半導体を手がけるエーエムアイ・セミコンダクターがあった。その事業担当として勤務し、日本法人の代表取締役などを務めた。2008年にオンセミがエーエムアイ社を傘下に収めたことでオンセミに入社。これまで12年間にわたって、取締役営業担当や取締役営業統括シニアディレクターとして日本のセールス部門を率いてきた。
―― 直近では自動車関連を担当されています。
山下 ここ5年間ほど、オートモティブ市場の顧客を担当するセールスおよびフィールドアプリケーションエンジニア部門を率いていた。
当社は、クルマの電動化に向けたパワー・ソリューションや、安心・安全の向上に向けたセンシングデバイスを幅広く手がけ、グローバルスタンダードでビジネスを展開しているが、日本のお客様からはプラスアルファとして個別ニーズへの対応も求められる。トップシェアを持つ製品も多くあるなかで、それに甘んじることなく、お客様と連携しながら、厳しいニーズへ柔軟に対応していくこと、車載製品に限らずどの分野の製品においても大切な姿勢であると考える。
―― 今回、本社日本地区セールス担当バイスプレジデント兼日本法人社長に就任されました。今後の抱負などをお聞かせ下さい。
山下 日本におけるさらなる売り上げの拡大は大前提だ。当社は市場成長率の2倍を目指して事業を拡大していくという方針を掲げており、日本でもその実現に向けて取り組んでいく。
コロナ禍を受け、ビジネス環境は厳しい状況だが、現状が底だと思えば、今後は上を向いていくだけだ。7~9月期の売上高は、4~6月期比で約9%増の13億1730万ドルとなっており、市況は確実に回復に転じている。
当社は、パワー・ソリューション、アドバンスト・ソリューション、インテリジェントセンシング・ソリューションをワンストップで提供できる他社にはない強みがある。
日本市場では、パワーモジュールや、エネルギー効率に優れたデバイス、自動車の安心・安全に貢献するイメージセンサーやその他車載デバイス、産業分野向けのマシンビジョンやモーター駆動のソリューションなど、日本のお客様の競争力強化に寄与する製品を数多く提供している。引き続きお客様と協力し、今後も当社の付加価値を継続して提供していきたい。
―― 日本の生産拠点としての役割について。
山下 グローバルでの生産拠点の最適化に向けて、新潟工場の売却を検討する一方で、会津若松工場への投資は継続していく方針を明らかにしている。さらに、東京、岐阜、群馬に製品開発部門を、また群馬には不良解析能力も有しており、それらの拠点を有効活用しながら、日本のお客様のサポートをさらに強固なものとしていく。
(聞き手・清水聡記者)
(本紙2020年12月10日号1面 掲載)