中国のLEDチップ製造用MOCVD(有機金属気相成長法)装置メーカー、理想能源設備(上海市浦東新区張江高新区張江居里路1号、Tel.+86-21-5027-6825)は、2012年末、自社開発したMOCVD装置を中国国内のLED工場に初めて出荷した。薄膜太陽電池モジュールの製造に使われるPECVD(プラズマCVD)とLPCVD(減圧CVD)装置に続く新たな事業の柱に位置づける。奚明副総裁に今後の事業計画について伺った。
―― 貴社の概要から。
奚 09年8月に設立された製造装置のベンチャー企業だ。中国政府は5カ年計画で先端装置産業の育成を重視している。当社も上海政府から張江ハイテクパークにある工場棟を3年間無償で供与してもらうなど支援を受けた。海外の優秀な人材を呼び戻す中国政府や上海政府の「千人計画」のメンバーの一員に私も選出していただいた。
気相中で化学反応を利用して薄膜を形成するCVD技術を強みとし、薄膜太陽電池製造用のPECVDやLPCVD装置、LEDチップ製造用のMOCVD装置を開発・生産している。
―― MOCVD装置に参入した狙いは。
奚 中国はLED製造の技術蓄積がまだ少なく、高輝度LEDの生産に必要なMOCVD装置はこれまで欧米からの輸入に頼っていた。先端装置は技術難易度が高く、開発期間も長くかかるため、中国ではなかなか国産化できないでいた。しかし、LEDチップの製造コストを下げるには、装置の国産化が必須だ。ここにビジネスチャンスがあると考えた。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年1月23日号9面)