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第394回

SEQSENSE(株) 代表取締役 中村壮一郎氏


巡回型警備ロボットの採用が拡大
21年末までに累計100台の導入目標

2020/10/2

SEQSENSE(株) 代表取締役 中村壮一郎氏
 SEQSENSE(株)(シークセンス、東京都千代田区内幸町2-2-3、Tel.050-2018-7860)は、自律移動型の巡回型警備ロボット「SQ-2」を展開するスタートアップ。警備員が行う一般的な屋内巡回警備・点検を代替できるロボットで、人間や固定カメラでは追えない不審者/不審物もリアルタイムで検知できる。その高い性能が評価され、大手の施設運営会社を中心に採用が増えている。今回、代表取締役の中村壮一郎氏に話を伺った。

―― SQ-2の引き合いについて。
 中村 2019~20年にかけて本格導入や実証が増えており、例えば、19年8月から「大手町パークビルディング」(東京都千代田区)、20年2月からは成田空港の第3ターミナル(出国手続き後エリア)にて本格的な運用が開始された。そのほか、「なんばスカイオ」(大阪市中央区)、「飯野ビルディング」(東京都千代田区)、「東京ポートシティ竹芝」(東京都港区)などでも運用・実証が進んでいる。
 また、大手警備会社のALSOK(綜合警備保障(株))や、京急グループでビルメンテナンス業などを手がける京急サービス(株)と連携し、施設運営会社などにSQ-2を提案するような体制もできつつある。

―― SQ-2の機能について。
 中村 17年にプロトタイプが完成して以降、警備やビル管理で必要な様々なノウハウを積み上げ、ハード・ソフトの両面で地道な改良を進めたことで、現在提供しているモデルは、警備員が行っている一般的な屋内巡回警備・点検業務(消火栓や排煙口、スプリンクラーの各種設備が正常な状態にあるかの目視点検、放置物の有無など)を問題なく代替できる。
 また、ユーザーインターフェースの簡易化などを進めており、ロボットに知見のない方でも簡単に運用できるような改良にも力を入れてきた。こういった要素を盛り込んだものをSQ-2の量産モデルとして21年前半から展開していければと考えている。

―― 導入効果は。
 中村 活用方法によって差はあるが、2台のSQ-2を立哨・巡回警備に活用していただいている施設では、警備スタッフの勤務時間を17%低減することに成功した。また、早朝・深夜といった警備スタッフの負担が大きい時間帯をロボットで警備することで、単純な勤務時間の削減では測れない負担軽減効果も生んでいる。

―― 開発面の取り組みについて。
 中村 近年、注力してきた領域としては、広域をカバーするためのフロア間の縦移動、つまりはエレベーターとの連携がある。その一環として、三菱電機(株)が開発したスマートビル向けの通信プラットフォーム(PF)を活用した連携システムを実用化した。これはSQ-2がWi-Fiなどを通じて三菱電機のPFにアクセスして、エレベーター(三菱電機製)への乗車をリクエストし、そのリクエストを受け取ったPF内のシステムがエレベーターを制御して、SQ-2へ乗車の指示を出すという仕組みだ。これにより大がかりな工事や改良なしに、SQ-2とエレベーターとのスムーズな連携が可能となり、フロア間の移動機能が大きく向上した。

―― 今後の方針を。
 中村 警備業界は現在、深刻な人手不足や高齢化が課題となっている。さらに新型コロナウイルス感染症の拡大によって3密回避やソーシャルディスタンスの確保なども求められるようになり、その課題解決につながるロボットへの期待値は日々高まっている。
 当社としてはその期待に応えるべく、事業スピードをさらに加速させていき、21年末までに累計100台、23年末までに累計500~600台の導入を目指していきたい。中長期的には、強みである自律移動関連の技術を、警備以外のビルメンテナンス業務など他分野へ展開することも検討していきたい。
 ただ、こういったことは当社1社で行えるものではなく、販売、システムインテグレーション、保守・メンテナンス、生産など、様々な分野でパートナー網を拡大していきたいと考えており、当社の取り組みにご興味がある方はぜひお声がけいただきたい。


(聞き手・浮島哲志記者)
(本紙2020年10月1日号11面 掲載)

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