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第391回

東京エレクトロン(株) 代表取締役社長・CEO 河合利樹氏


20年度は売上過去最高見込む
「21年はさらなる市場成長に期待」

2020/9/11

東京エレクトロン(株) 代表取締役社長・CEO 河合利樹氏
 半導体製造装置国内最大手の東京エレクトロン(株)は、新型コロナウイルスや米中貿易摩擦の激化など、不透明な外部環境にもかかわらず、2020年度(21年3月期)通期業績予想において、売上高が過去最高となる前年度比13.5%増の1兆2800億円を見込んでいる。顧客である半導体メーカーの旺盛な投資意欲と、注力分野でのシェア拡大によってこれを達成する考えだ。社長就任以降、業績拡大が続く同社で指揮を執る河合利樹氏に足元の市場環境、ならびに今後の成長戦略を語ってもらった。

―― まずは現在の外部環境をどう見ていますか。
 河合 世界全体が新型コロナの影響に直面するなか、IMF(国際通貨基金)は6月時点の予想として、20年の世界GDPが4.9%のマイナス成長になると予想している。リーマンショック時は0.1%減だったことを考慮すれば、世界全体に与えた影響はやはり大きい。
 しかし、コロナ禍によってテレワークやオンライン学習、在宅時間が増えたことによるゲーミングなど、新たな市場も立ち上がっており、これらには半導体をはじめとするICT技術が広く使われている。半導体市場は70年以上の歳月をかけて4000億ドルを超える市場に成長してきたが、今後の成長スピードはさらに加速する見通しで、2030年には1兆ドルを超える予測も出てきている。わずか10年で市場規模が2倍以上に拡大することになる。

―― 半導体製造装置市場も同様の見方ですか。
 河合 まず、20年のWFE(Wafer Fab Equipment=前工程装置)市場は、前回決算でも申し上げたとおり、前年比10%程度の成長を見込んでいる。各社によって、WFE市場の定義が若干異なるが、我々の試算では600億ドル程度になると予想している。アプリケーション別ではロジック/ファンドリーは前年比でプラスを見込んでいるほか、3D-NANDをはじめとするNVM(不揮発性メモリー)は前年比で50%程度の成長を見込んでいる。DRAMは6月までは15~20%の成長を見込んでいたが、顧客投資計画の一部変更に伴い、現時点では前年と同程度~微増にとどまる想定だ。DRAM投資が減少する部分については、ここ最近上方修正されているファンドリー投資の拡大でオフセットできるとみている。

―― 21年の市場見通しは。
 河合 定量的な予測はまだ難しいが、21年に向けてはサーバー向けの新型CPUの登場に伴い、DRAM投資の再開に期待が持てる。また、5G対応のスマートフォンの普及に伴い、メモリー需要が喚起され、NAND、DRAMともにモバイル向けの復調が見込まれている。今期も過去最大のWFEを見込んでいるが、21年はさらに拡大すると見ている。

―― 米中対立によるネガティブな影響はありませんか。
 河合 我々のWFE市場の前年比10%成長という見方は様々なリスク要因を織り込んで開示した数字だ。今後も米中関係は注視していくが、未来に向けた半導体の重要性は不変だ。どこかで必ず投資がある。当社が世界をリードする技術革新力を持ち続ければ問題ない。付加価値の高い次世代製品の創出に全力投球する。


(聞き手・副編集長 稲葉雅巳)
(本紙2020年9月11日号1面 掲載)

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