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第383回

(株)村田製作所 代表取締役社長 中島規巨氏


4~6月は車載大幅減
5G市場本格化は21年か

2020/7/17

(株)村田製作所 代表取締役社長 中島規巨氏
 (株)村田製作所(京都府長岡京市東神足1-10-1、Tel.075-951-9111)では、6月26日の定時株主総会を経て専務執行役員の中島規巨氏が新たに代表取締役社長に就任した。新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済を揺るがすなかにあって、これを契機に業務のリモート化やスマートファクトリー化を推進し、持続的成長につなげる考えだ。今後の業績見通しや製品戦略などについて話を聞いた。

―― 足元の業績から。
 中島 2019年度の業績は売上高が前年度比2.6%減の1兆5340億円、営業利益が同5.1%減の2532億円と減収減益だったが、期初想定よりは上ぶれた。これは自動車市場が不振だった一方で、スマートフォン(スマホ)向けが強かったことに加え、1~3月期に中国スマホを中心に約300億円の前倒し需要があったことが原因だ。
 20年4~6月期は、前倒し需要の反動減の影響が出ている。特に自動車向けは、前年同期比で落ち込みが大きい。

―― スマホ市場の今後の見通しは。
 中島 6月ごろから秋モデル向けの部品取り込みが始まった。新型コロナウイルスの影響で少し遅れが出ているものの、期初想定と大きなずれはない。秋モデルは5G対応端末が増加することから買い替え需要は大きいと予想され、期待している。ただ、米中対立の激化がスマホ市場に波及することは懸念している。

―― 5G市場の状況は。
 中島 Sub―6の中国市場が拡大している一方、ミリ波の北米・日・韓市場は少し遅れがみられる。基地局投資のトリガーとなる大規模イベントが見送られていることが背景にあり、本格的な普及フェーズは21年にずれ込むのではないか。

―― 自動車市場の見通しは。
 中島 自動車メーカーの生産が大幅に落ち込んでおり、回復には時間がかかる。20年末にかけて回復に向かうが、20年度通期では前年度比20%減を予想する。一方で電動化やセーフティー化は加速しており、これらに関わるコンデンサーやインダクター、センサーの需要は底堅く、回復を牽引するだろう。自動車市場の回復は、各国の景気刺激策も後押しをすると見込んでいる。

―― 生産拠点の稼働状況について。
 中島 新型コロナウイルスの感染拡大により、中国や国内拠点で一時操業停止したが、現在は復旧している。一方、フィリピンとマレーシアでは地元政府の方針で長期停止を余儀なくされた。マレーシアは5月上旬に回復したが、フィリピンは感染防止のため50~60%程度の稼働率に抑制されている。そのため、国内拠点での代替生産によりカバーしている。全体の工場稼働率は年初想定通り、20年度下期に90~95%に高まる見通しだ。

―― 生産拠点における感染対策は。
 中島 一般的なマスク着用、アクリル板の設置などに加え、従業員に一日の行動履歴を記録してもらい、万が一感染が発覚したときに行動範囲、接触者を絞り込むことができるようにしていた。国内拠点で感染者が出た際には迅速に接触者を特定し、工場休止を最小限に抑えることができた。本社の食堂では着座位置を記録するようにするなど、さまざまな感染拡大防止策を行っている。


(聞き手・本紙編集部)
(本紙2020年7月14日号1面 掲載)

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