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第319回

東京応化工業(株) 代表取締役 取締役社長 種市順昭氏


新中計策定、営業益150億円に再挑戦
先端レジストのシェア回復に自信

2019/4/12

東京応化工業(株) 代表取締役 取締役社長 種市順昭氏
 半導体用フォトレジストなどを手がける東京応化工業(株)(川崎市中原区)は、2019年1月から種市順昭氏を社長とする新経営体制に移行した。19年度から新たな中期経営計画もスタートし、既存事業に加え、新規事業の育成にも取り組む。種市新社長に新中計の概要ならびに足元の状況について話を聞いた。

―― まずはご略歴から。
 種市 1986年に入社し、国内営業の担当としてキャリアをスタートさせた。91年に台湾市場の担当、97年からは米国法人に赴任した。海外から帰任して以降はマーケティングチームに加わり、新事業の立ち上げなどに携わった。当時は3次元実装、ナノインプリント、太陽電池などの分野で新事業育成を模索しており、3次元実装システム「ゼロニュートン」などはここから生まれた。15年から執行役員として新事業開発などに取り組んできた。

―― 社長打診時の率直な感想は。
 種市 まさかとは思った。実際に打診され、数カ月悩んだが、東京応化工業はどんな会社か、と自問自答した時に、社名にもなっている「化学で応える会社」を思い出した。「顧客・サプライヤー・従業員・株主」などのステークホルダーからの期待に対し、化学で応えることこそが当社の存在意義である、と改めて感じたとき、自らの使命として先頭に立っていく覚悟を決めるきっかけとなった。

―― 新たに3カ年の新中計を発表しました。
 種市 新中計では成長軌道への回帰を目標に、前中計で目標としていた営業利益150億円の達成に再度取り組んでいく。売上高は中国顧客からの売り上げ増加を期待するものの、米中貿易摩擦などで楽観視できない状況もあり、1250億~1450億円(21年度)と幅を持たせることにした。半導体業界には依然としてサイクルが存在しており、浮き沈みは今後もあるが、成長産業としての位置づけに変わりはない。

―― 主力のフォトレジスト事業について。
 種市 先端プロセス向けのArF/EUVレジストは、21年に18年比で4割弱の成長を目指す。ただ、ArFは足元で韓国および北米メモリー顧客向けのシェアが低下していることに加えて、想定為替レートを105円としていることから、19年の売上高は横ばいを予想する。19年後半から北米ロジック顧客の先端プロセスが寄与するほか、20年以降は中国顧客からの売り上げ増加を想定する。

―― シェア回復に向けた施策は。
 種市 顧客密着戦略を徹底していく。海外顧客においても、現地生産拠点でのサポートを重点的に行いつつ、生産設備の増強も進めていく。例えば、韓国ではTOK尖端材料社でレジスト生産設備を増強するほか、EUVレジストの生産対応も行っていく考えだ。
 こうした取り組みもあり、DRAMでは1Ynm世代でシェアの回復が見込めるほか、1Znm世代でも良好なポジションを築けていると考えている。

―― KrFレジストは。
 種市 KrFは7割弱の成長を計画し、主要製品で最も高い成長率を見せる分野として期待する。3D-NANDのさらなる多層化によって厚膜レジストの需要が拡大しており、9x/12x層世代でも顧客から良好な評価を得ている。また、DRAMでもインプラ工程で新規にKrFの採用が決まるなど、市場シェアの拡大も見込んでいる。

―― 設備投資戦略は。
 種市 設備投資は3カ年で310億円(前中計期間内は217億円)を計画している。開発・生産拠点が多い国内向けの投資比率が高いものの、北米向けも増額するほか、アジア向けも韓国向けに関しては大幅に投資額を増やしていく。主力拠点の相模事業所ではオープンイノベーション施設となる「新B-6棟」が19年第3四半期(7~9月)に完成予定であるほか、最先端プロセスに対応した危険物対応のスーパークリーンルームを完備した「新C-1棟」の建設も進める。

―― 新規事業について。
 種市 いくつか候補があるが、早期に業績貢献できそうなものの1つが光学部材だ。光をコントロールする構造を作るための加工材料の展開を想定しており、ナノインプリント分野や有機ELの高屈折率材料などへの応用展開を図る。
 ベンチャーやスタートアップを中心に、外部企業との協業・支援も積極的に進めている。15年からM&Aなどの市場調査を行う専門チームを設けており、今後も新たなイノベーションを生み出せそうな企業とは積極的に協業していきたい。

(聞き手・副編集長 稲葉雅巳)
(本紙2019年4月11日号10面 掲載)

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