電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第279回

インフィニオンテクノロジーズ プロダクトマーケティングディレクター ブライアン・チュウ氏


IPM製品の事業展開を強化
大型・高耐圧品の販売を開始

2018/6/29

インフィニオンテクノロジーズ プロダクトマーケティングディレクター ブライアン・チュウ氏
 独インフィニオンテクノロジーズ(日本法人=東京都品川区大崎1-11-2)は、パワー半導体のトップメーカー。IGBT、MOSFET、SiC、GaNなど様々な製品を展開するなか、直近はIPM(インテリジェントパワーモジュール)の取り組みも強化している。今回、IPM製品を担当するプロダクトマーケティングディレクターのブライアン・チュウ(Brian Chu)氏に話を伺った。

―― 貴社のIPM製品について。
3月に発表した「JETSON TX2i」
インフィニオンのIPM製品群
 チュウ 当社のIPM製品はCIPOS(サイポス)というブランド名で展開しており、サイズや耐圧別に「Nano」「Micro」「Tiny」「Mini」「Maxi」という5種類の製品カテゴリーをラインアップしている。製品群のうち、伸長するインダストリアル関連での強化を図るために開発したのがMaxiで、従来品に比べ大型サイズ/高耐圧であり、6月より本格販売を開始した。用途としては現在、家電関連が中心だが、モーター、サーボ製品、汎用インバーターといったインダストリアル関連でも引き合いが増えている。

―― 製品の強みは。
 チュウ 当社製品はお客様から品質に関して高い評価をいただいており、IPMも高い品質を備えている。また当社はIGBT、MOSFET、SiC、GaNなど、パワーデバイスに関する幅広い製品群とノウハウを有しており、IPMに関しても様々なご要望に対して対応できる下地が整っていることも強みだ。加えて、IPMメーカーのなかには家電やインダストリアル製品も展開する企業があるが、当社は半導体専業メーカーであるため、お客様が開発する製品と競合することがなく、開発面での連携もスムーズに行える。

―― 生産・開発体制について。
 チュウ IPM製品は韓国拠点での生産を基本に、組立の一部を外部に委託することで、需要増や幅広いニーズへの対応を可能にしている。IPMの開発拠点は米国、韓国、欧州にあり、直近では電流密度やインテグレーションのレベルの向上に取り組んでいる。こういった取り組みを通じ、現状は家電向けが主力だが、Maxiなど新しい製品の提案を含めたインダストリアル関連でさらなる拡販を図るとともに、ヘアドライヤーなどの小型家電への提案なども強化していきたい。

―― IPM製品の引き合いは。
 チュウ 当社のIPM事業は、2015年に買収したIR(インターナショナル・レクティファイアー)に加え、もともとは当社と韓国LS産電との合弁会社で、15年に100%子会社としたLSPS(LS Power Semitech)の関連事業を統合したのが出発点となっている。そして16年に事業の体制を整備し、17年より本格的な取り組みを開始した。そうして、ここ数年蒔いてきた種が着実に育ち始め、18年は欧州、米州、アジア・パシフィックなどグローバルでIPM製品の販売が拡大しており、今後の市場成長も期待できる分野として当社のなかでも重要性が高まっている。

―― 日本向けの展開について。
 チュウ 日本には当社の製品を採用していただいているパートナーが多数おり、IPMに関してもメジャーホームアプライアンスを中心に引き合いが増えている。また、日本には新しいコンシューマープロダクトの開発を進める企業も多く、パートナーとして開発段階から積極的に連携できればと考えており、ご興味があればぜひお声がけいただきたい。

(聞き手・浮島哲志記者)
(本紙2018年6月28日号4面 掲載)

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