商業施設新聞
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No.624

日本一ずくめの茨城県、ビール生産もダントツ


笹倉 聖一

2017/9/19

 茨城県は、納豆、メロン、数々の野菜に続き、ビール生産でも日本一である。2015年度(16年3月期)のビール生産量は43万6577kl(国税庁平成27年度税務統計より)で、日本一の背景には、日本最大級とされるアサヒビール茨城工場(守谷市)とキリンビール取手工場(取手市)、さらに国際的な評価が高いクラフトビールを製造する木内酒造(那珂市)などの工場立地があるという。ちなみにビール生産の2位は大阪府(30万9867kl)、3位は愛知県(29万467kl)と続く。

ビール生産日本一を後押しする地ビール群
ビール生産日本一を後押しする地ビール群
 東京・銀座の茨城県アンテナショップ「茨城マルシェ」は、8月24~25日にビールフェアを開催し、ビール生産日本一であることと、数々の地ビールの美味しさをアピールした。同県内には、約15種類の地ビール銘柄を持つ木内酒造のほかに、大子森林物産(地ビール銘柄約3種類)、ふれあい下妻(同約8種類)、牛久シャトー(同約6種類)、鹿嶋パラダイス(同6種類)などがある。筆者が味わったホワイトエールは、コリアンダー、オレンジピール、ナツメグなどを加えた小麦ビールで、ハーブによるさわやかな香りと、小麦麦芽による酸味と柔らかな味わいが精妙だった。ホワイトヴァイツェンは、華やかな香りを醸す酵母入りにごりビールで、バナナのような香りで爽快な味わいだった。

 ビールフェアには、つまみを提供する学園手造りハムの会(ローズポークベーコンなど)、中央ミート(常陸牛サラミ・ジャーキー)、高橋肉店(金の卵コロッケ)、白川屋商店(一品酒浸し)、鳥末食品(つくば巻2本入)、大平漬物食品(茄子辛子漬け)、方波見牧場、マルショウ横瀬が協賛した。つまみには、納豆と大根おろしも人気で、納豆は茨城県の代名詞である。県都・水戸市は、1世帯当たりの納豆購入額で全国1位(2016年、5565円)へ3年ぶりに返り咲いた。2位は盛岡市、3位は福島市。ここ数年の総務省の家計調査では、水戸市の1世帯当たりの同購入額は低迷し、15年には5位にまで下がった。そこで、水戸市と茨城県納豆商工業協同組合が立ち上がり、数々の催事を展開するなどして、日本一の座を奪還した。

avex納豆部と共に納豆の日を盛り上げる「ねば~る君」(左)
avex納豆部と共に納豆の日を盛り上げる
「ねば~る君」(左)
 納豆の日(7月10日)には、茨城マルシェに人気俳優による「avex納豆部」(部長はDa-iCEの花村想太氏)が現れ、新作の納豆料理(7月末で販売終了)を披露した。納豆をかたどったゆるキャラの「ねば~る君」が会場に現れ、記者会見で質問する女性記者に対し、「(avex納豆部の)イケメンばかりに質問をしないで、自分にも何か尋ねてほしいネバーッ」とすねてみせ、会場を笑わせた。

 ビール生産、納豆のほかに、同県はメロン、数々の野菜生産も日本一だ。さらに、納豆による粘り腰で秋場所の日本一を狙う、茨城出身力士の高安(稀勢の里は休場)を含めて、同県は日本一ずくめである。その同県で、ビールフェアから2日後の8月27日には県知事選挙があった。投票率は43%で高いとは言えないが、それでも前回より12%アップし、県民は大井川和彦氏を新知事に選んだ。筆者は茨城県民ではなく投票権がないため、県民が選んだ新しい知事を応援するだけである。今後は、新知事が、今や茨城県を代表するといっても過言ではない(と私が思っている)、納豆・茨城・世界の子供達を応援する「ねば~る君」とどのように触れ合い、いかに県民目線で県政の舵を取るのかに注目したい。
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