商業施設新聞
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No.532

高齢者とインバウンド


松山 悟

2015/11/17

 販売のターゲットに、高齢者とインバウンド(訪日観光客)が外せなくなっている。高齢者とは65歳以上を指すが、団塊の世代の最終年次(1949年生まれ)もその年齢に達した。内閣府の資料を見ると、2007年に超高齢社会となり、14年に総人口の4人に1人が65歳以上になった。東京オリンピックのある20年には高齢化率が30%近くになる。

 超高齢社会を踏まえて、郊外型ショッピングセンターは、ターゲットをヤングファミリーから3世代家族にシフトした。3世代が一緒になって、ゆっくりくつろげる空間を創出するとして、新増設計画を打ち出す。

 食品スーパーはお惣菜の品数を増やし、1人前から販売する。ベビー服売り場の拡大も、孫のためにと高齢者の財布の紐を緩める狙いがあるように思える。フードコートは拡張され、3世代で食事を楽しんでいる。コンビニも電話注文を受けるところが増えてきた。今後もますます、高齢者に配慮した戦略がとられるだろう。

 一方、インバウンドは、日本政府観光局の資料によると、14年は1341万4000人と過去最高となった。15年は昨年より3カ月早く、7月に1000万人の大台に乗り、通年で1800万人を超える見通しだ。

空港型免税店「FUKUOKA DUTYFREE SHOP」イメージ
空港型免税店
「FUKUOKA DUTYFREE SHOP」イメージ
 筆者が住む福岡は、博多港があり、14年のクルーズ船寄航回数は115回で、15年はすでに200回を超え、通年で250回以上を予想する。
 15年10月15日には、博多大丸(福岡・天神)の東館6階にラオックスがオープンした。海外仕様の日本製家電、理美用品、民芸品、健康食品などの品揃えで、順調な立ち上がりをみせている。
 博多大丸の向かいにある福岡三越には、福岡空港ビルディング、西日本鉄道、三越伊勢丹ホールディングスの3社が、空港型免税店「FUKUOKA DUTYFREE SHOP」を16年4月にオープンする予定だ。売り場面積は9階フロアのほぼ半分に当たる約1300m²。販売品目はラグジュアリーブランドを中心としたファッションアイテム、時計・宝飾、化粧品、食品・酒・たばこ、雑貨、電化製品など。DUTYFREEとなり、消費税免税店(TAXFREE)と違い、消費税だけでなく、関税や酒税・たばこ税も免税になる。

 超高齢社会を迎え、、ここ福岡でも新しい顧客を創造していかなければいけない時代になっている。
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