商業施設新聞
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No.511

茅ヶ崎ぶらり旅


玄行 力

2015/6/23

 生まれも育ちも神奈川県だが、この27年間で一度も茅ヶ崎駅に訪れる機会がなかった。昭和を代表する歌手、故尾崎紀世彦氏やサザンオールスターズの桑田圭祐氏など著名人の出身地であること、JR相模線の終点であることを知っている程度で、茅ヶ崎に関する知識はほとんどない。

 弊紙商業施設新聞では、駅周辺の動向を解説する「駅激戦区」という連載を続けており、今回、茅ヶ崎駅の記事(7月掲載予定)を執筆するに当たって、取材で5月26日に人生で初めて茅ヶ崎駅に降り立つこととなった。

 降りる前のイメージとしては、大きな建物はないが商店街は繁盛している、いかにも湘南の雰囲気漂うローカルなターミナル駅という印象だったが、北口は降りてすぐにイトーヨーカドーやヤマダ電機など大型商業施設があり、さらに奥にはイオンが2店(茅ヶ崎店、茅ヶ崎中央店)、市の急性期医療を担う大型病院もあるなど、想像以上に発展していた。さらに、駅ナカにはファッションや飲食、サービスなどを集積した茅ヶ崎ラスカもあり、想像以上に近代的な街だった。もちろん大型商業施設だけでなく、商店街も飲食店を中心に活気があり繁盛していた。道中では、茅ヶ崎名物である「しらすせんべい」が売っていたので記念に購入しその場で食べてみたが、程よい辛さが癖になる味だった。

 北口散策終了時点で14時を過ぎていたので、遅めのランチを済ませた後、南口へ向かうことにした。電車の車窓から見た感じでは南口は特筆するほどの商業施設はなかったが、とりあえず茅ヶ崎海岸へと続く商店街を散策することにした。駅周辺はメジャーな飲食チェーンなどが多かったが、地元食品スーパー「たまや」のある交差点を過ぎたあたりから、海から上がってきたサーファーとすれ違うことが多くなり、サーフショップも道中でいくつか見かけるようになった。アロハシャツを着た色黒のおじいさん、お姉さんが談笑しながら店頭でサーフボードを洗い流している姿を今も覚えている。地元食材をふんだんに使っているであろう食堂や居酒屋もいくつかあった。

5月の茅ヶ崎海岸は静かで、海風が心地よかった
5月の茅ヶ崎海岸は静かで、海風が心地よかった
 国道134号線を渡り、やっとのことで湘南海岸にたどり着いた。波に乗るサーファーはもちろん、ランナーや下校途中であろう地元高校生カップル、親子連れなど思ったよりも人が訪れていた。湘南海岸ではとりあえず10分ぐらい岩場で海を眺めることにした。東側には江ノ島が見えるが、三浦半島などそれ以降は曇りがかっていてほとんど見えなかった。

 そして海を眺めながら、今日の茅ヶ崎駅での道中を振り返ることにした。北口の活気ある商店街、北口から遠かったイオン2店、ホビー売り場を見学したヤマダ電機、南口のサーフショップ、そして終点の茅ヶ崎海岸。仕事ではあるが、おそらくそうでなければ縁がなかったであろう茅ヶ崎駅に訪れることができて満足な道中だった。
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