商業施設新聞
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No.999

自動ドアの困りごとを解決


若山智令

2025/3/25

 3月5日、相模原市南区に地域密着型商業施設「minanoba相模原」がオープンした。事業者は東京建物(株)で、同社が地域密着型商業施設事業に参入するメモリアルな施設で、スーパーマーケットを核店舗としており、近隣住民の利便性向上に資するだろう。この中で特に注目したいのが、出入り口のドアにスマートフォン連動ドア「ミライロドア」を導入したことだ。障がいがある人などの自動ドア利用の困りごとを解決するサービスで、ミライロドアの日本国内初導入となった。

 ミライロドアは(株)ミライロ、フルテック(株)、(株)ハウディの3社で共同開発した、高齢者や障がいのある人、子育て中の人など、多様なニーズを持つ人々の自動ドア通行をスマートフォンとの連携によってサポートする、日本初のユニバーサル自動ドア。スマートフォンアプリの情報とリンクさせることで通行者の属性を把握し、設定した内容で適切に開閉する。利用者が事前に設定したスマートフォンを持って自動ドアに近づくと、「音声による誘導案内」「ドアの開放時間・開閉速度の自動調整」などの機能が自動的に作動し、安心・安全な通行をサポートしてくれる。

 利用にあたってもハードルは低い。利用するために必要なスマートフォンアプリは、ミライロが提供するデジタル障害者手帳「ミライロID」から簡単にインストールできる。

1階エントランスのミライロドア
1階エントランスのミライロドア
 例えば車いす使用者が自動ドアを利用する際、通行時にドアが早く開き始めたり、開放時間が延長できたり、閉じる速度を遅く変更できる。また、目が不自由な人が通行する場合はドアの接近時に誘導音、さらにドアに近づくと音声での案内があり、通行時は前述の車いす使用者と同様にドアが早く開き始め、開放時間を延長し、閉じる速度を遅く変更できる。ドアのタッチスイッチの位置が分からない・押しにくいといった場合も、アプリを利用すればタッチスイッチを押さなくてもドアが作動して開くなど、快適な利用を実現する。

 既存の自動ドアでも、フルテック社製であれば大きな投資が必要なく簡単に設置可能だという。開発にあたっては障がいのある人に自動ドアの不安点などをヒアリングし、その声をもとに誰もが不安なく利用できる自動ドアを開発している。

 今回、ミライロドアは建物正面エントランスに2台、屋上駐車場入り口に1台の計3台を導入した。日本国内初導入となり、東京建物はここでのテストなどを経て、今後の導入についても検討していく方針だ。
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