先日、(株)アースウィンドが東京・豊洲にオープンした「EARTHWIND TOYOSU BLDG.」を取材させてもらった。同施設はアースウィンドの戦略営業部が新領域・新事業として行った、自社開発物件として開発した商業ビル。直営のコインランドリーをはじめ、物販、サービスのテナントを集積し地域に必要な機能を揃えた。アースウィンドはここでノウハウを蓄積し、自社開発物件をさらに開発していくようだ。
所在地は、東京メトロ有楽町線の豊洲駅からほど近い、東京都江東区豊洲5-5-20の晴海通り沿い。敷地は約1000m²、施設は3階建て延べ約1500m²で、豊洲の街に馴染む凛とした意匠と、緑を多用した優しいデザインが特徴だ。1~3階の各フロアがテナント区画となっているほか、屋上には屋外多目的スペースを設け、イベントや催し物ができるようになっている。
自社開発物件として建設したEARTHWIND TOYOSU BLDG
元々この土地は昭和大学が所有しており、コインパーキングとして使用したものを大学側が地域活性・地域貢献に資する活用をしたいという考えからスタート。アースウィンドが事業者として決まり、土地を賃借したうえでEARTHWIND TOYOSU BLDG.を建設したという背景があるそうだ。なお、元々のコインパーキングも同施設の横に整備してあり、同じくアースウィンドが運営を行っている。
注目は“地域活性・地域貢献”をテーマに日常利用を意識し、毎日でも通えるテナント構成にしたところ。1階にはドラッグストアの「マツモトキヨシ」、自社運営のコインランドリー「アースランドリー」が出店。アースランドリーは洗濯乾燥機を8台導入するなどアースランドリーの中でも最大級の店舗とし、豊洲エリアで見ても最大規模のコインランドリーで、オープン以降稼働は好調だという。2階以上には学習塾やバレエ教室、英会話教室、クリニック、シミュレーションゴルフなどサービス系テナントを集積。前述のコインランドリーを回している間に隣のドラッグストアで買い物を済ませたり、子どもを学習塾に行かせたり、自分が教室やクリニックに通ったりなど効率の良い使い方をする利用者も多くいるようだ。
サービス系テナントの誘致については、アースウィンドがこれまで行ってきたオフィス仲介業の強みを活かして、豊洲に住む人がより便利に、より充実した生活が送れるようなものを意図していると感じた。また、こうした商業ビルにはカフェをはじめとした飲食店があるのが“標準仕様”となっているが、同ビルはオペレーションや区画の観点などから飲食店の出店が無いことも特徴である。リーシングは順調に進んだといい、同社は改めて、こうしたサービス系テナントを中心とした日常利用特化型商業施設のニーズが利用者、またテナント企業側からもあることが確認でき、今後も自社開発物件の開発を進めていく。