商業施設新聞
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No.459

物流激戦区 神奈川


玄行 力

2014/6/3

 弊社の媒体『工場計画情報』編集部に所属していたころから現在に至るまで、物流施設の記事を多く執筆してきた。これまで執筆してきた記事のなかでは、神奈川県の記事が群を抜いて多かった。

 神奈川県は、圏央道、東名高速道路、第三京浜道路、横浜横須賀道路など多くの高速道路がまたがっており、関東地方などの広域配送はもちろん、県内配送にも適した立地である。Amazon、楽天などの通販市場の拡大や、スーパーマーケット、コンビニなどの出店拡大もあり、ここ数年で県内に多くの企業が進出、国内屈指の物流激戦区と化している。

GLP座間の建設地
GLP座間の建設地
 特に県央エリア(相模原市、座間市、海老名市、大和市、厚木市、伊勢原市、綾瀬市、愛川町、清川村)は、高速道路では圏央道や東名高速道路、小田原厚木道路、国道では16号線、246号線、129号線などが走り、アクセスに優れているのが特徴だ。ここ数年、県内で最も物流施設の開発案件が多く、直近では、グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株)(GLP)が座間市で大型マルチテナント型物流施設「GLP座間」を着工した。施設規模は、PC造り5階建て延べ13万1913m²の免震構造で、2015年7月末の竣工を目指している。また、大和ハウス工業(株)も、相模原市中央区にS造り4階建て延べ1万7566m²の物流施設「Dプロジェクト相模原II」の建設を計画しており、6月の着工、15年春の竣工を予定している。

 また、横浜港や川崎港など海に面したエリアは、国際物流を手がける企業の進出が加速している。直近では、SBSロジコム(株)が横浜市磯子区に延べ約3万3000m²の物流センター(倉庫、倉庫に付属する事務所、流通業務施設)の建設を計画しており、夏ごろには建設工事に取りかかり、15年春~秋の竣工を目指す。建設場所は、国道357号線に直面、首都高速湾岸線杉田インターに隣接し、JR根岸線およびシーサイドライン新杉田駅からも徒歩5分と物流、通勤に適している。また、横浜港の山下ふ頭や本牧ふ頭に至近距離なため、国際物流にも好立地である。

 スーパーマーケット、コンビニ、ホームセンター、ドラッグストアなど小売業では、14年度も出店の拡大を計画している企業が多く、今後も物流施設の開発ニーズは高まるはずだ。神奈川県では拡大する開発ニーズに対応し、各市町村が工業地の整備を進めているため、しばらくは物流激戦区としての地位は揺るがないだろう。
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