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No.65

ジェトロなど、メキシコ・グアナファト州投資セミナー開催、知事が投資を呼びかけ


2023/6/27

 日本貿易振興機構(ジェトロ)とグアナファト州経済開発局主催によるメキシコ・グアナファト州投資セミナーが、6月7日に東京都内のジェトロ本部で開催された。グアナファト州知事のディエゴ・シエヌ・ロドリゲス氏が自ら講演し、日本からの投資を広く呼びかけた。

 セミナーでは、まずジェトロ メキシコ事務所所長の中畑貴雄氏が「メキシコ自動車産業の最新動向とニアショアリングの影響」のテーマで講演。メキシコの自動車産業の最新動向とニアショア生産拠点としてのポテンシャルを説明した。

 メキシコの自動車生産台数は世界第7位で生産能力は400万台程度。世界第3位の自動車輸出国だが、国内販売台数は世界12位の水準にとどまっている。中央高原地域に自動車産業が集積しており、OEM銀座とも呼ばれている。生産する自動車の9割が輸出されており、そのうち7割が米国向け。米国の自動車メーカーの生産はSUVがメーンとなっている。メキシコ国内での自動車販売は中国系企業が躍進しており、GMもメキシコで販売する自動車は中国から輸入している。

 自動車部品産業は、北部とバヒオ地域に集積。22年の自動車部品は過去最高の生産額となった。グローバルなTier1はメキシコに進出済みだが、日系サプライヤーは東南アジアと比較すると、Tire2を中心に進出数が少ないのが現状。進出日系企業の部材調達は未だに多くを日本に依存している。

 消費地の近くに供給源を設ける「ニアショアリング」にいては、メキシコにとって追い風となっている。中国などからの新規投資が増加しており、北東部を中心に新規・拡張投資案件が増えており、南部へも広がりを見せている。米国に隣接しているという地理的優位性に加え、米国に比べ安い人件費、米国の税制の恩恵を受けられるなどのメリットがあり、米国からメキシコ、日本からメキシコに生産拠点を移す動きが出ている。

ディエゴ・シエヌ・ロドリゲス知事
ディエゴ・シエヌ・ロドリゲス知事
 続いて、ロドリゲス知事が「グアナファト州の競争優位性と産業投資への支援」のテーマで講演し、同州の概要や特徴などを紹介した。知事は「グアナファト州はビジネスフレンドリーな州である」と語り、質の高い人材や整備されたインフラなどをアピールした。

 同州はメキシコの中央に位置するため、ロジスティクスの面でも優位である。西海岸、東海岸を結ぶ道路網、鉄道網が整備されており、グアナフアト国際空港からは米国に向けた航空路線が多くある。自動車産業に加え、航空宇宙、農業・化粧品・医薬品、IT、革製品、化学品が重要産業となっており、多くのクラスターが存在している。知事は汚職と戦っており、時間の正確さ、ビジネスを奨励するカルチャーを育てている。大学と産業クラスターを結びつける事が重要であるとし、そのための人材教育を実施。30年前は教育レベルの低い州であったが、現在は180以上の大学が質の高いエンジニアリングを輩出している。知事は「人材を一番大事にしている」とし、インダストリー4.0に向けた教育を実施。教育レベルの充実が同州に進出する一番のインセンティブであるとしている。

 知事は「観光目的地としても魅力的である。メキシコの真ん中なので地震や台風はない。皆様方にとっていい投資先であることをこれからも約束する」と講演を締めくくった。

 最後にアミスタ工業開発 工業団地部門 ゼネラルディレクターのフランシスコ・ロセテ氏が「45年に渡る工業開発と建設の経験」のテーマで講演した。同社は1978年発足。メキシコの9つの州で、16の工業団地、3000万m²の土地を開発しており、5つの工業団地を新規開発中である。
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