インド・ラジャスタン州首相のバジャン・ラル・シャルマ氏の来日にあわせ、ラジャスタン州政府、在日インド大使館主催による投資セミナー「Rising Rajasthan」が9月11日に東京都内のホテルで開催された。シャルマ首相が基調講演を行い、日本からの投資を広く呼びかけた。
セミナーでは、まず日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューデリー事務所所長の鈴木隆氏が日本の製造業にとってのラジャスタンの可能性などについてプレゼンテーションした。インドは州政府に権限が委譲されており、産業振興や労働などについては州政府が中心となって担っている。ラジャスタンはデリームンバイ間産業大動脈構想中で交通インフラが完成しつつある地域の真ん中に位置。国家プロジェクトとしても工業団地の開発が計画されている。インドに進出している日系企業は約1400社で、ラジャスタン州にはそのうち50社が進出しており、そのほとんどが日系企業専用ゾーンがあるニムラナ工業団地に進出している。また、ニムラナ工業団地から約10kmの場所に新たにギロット工業団地を開発しており、日系企業専用ゾーンを設けている。
ラジャスタン州は、鉱物、農業・酪農、観光資源、アパレル産業は古くから日本との取引もあり、手厚い州政府の投資インセンティブもある。また、日系企業が50社も集積しているのは、インド国内ではニムラナ工業団地しかなく、規模の経済も活用できるとしている。
続いてラジャスタン州政府のアジタブ・シャルマ主席次官がラジャスタン州での投資機会について説明した。
ラジャスタン州では自動車、電子機器システムの設計製造(ESDM)、石油化学、テキスタイル、教育・トレーニング、ツーリズムを成長ドライバーとして位置づけている。
自動車分野では、ラジャスタン州ではエンジン車を中心とする計画で、ハイブリッド車やグリーン水素に投資していく。また、自動車分野では電気自動車への投資も進めているが、ラジャスタン州では投資だけでなく、市場も提供できるとしている。
石油化学では、インドは肥料大国といわれており、日本企業はこの市場への投資も期待できるとしている。テキスタイルも大きな可能性があり、教育・トレーニングの分野では日本式の技術を取り入れていきたいとした。
最後にシャルマ首相がラジャスタン州の投資環境や取り組み状況などを紹介。ラジャスタン州と日本との関係強化を目指しているとし、「日本の皆様に積極的に投資をしていただき、素晴らしい歴史を歩んでいきましょう」と語った。