商業施設新聞
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第369回

(株)マッシグラ沖縄タイムス 代表取締役社長 金子智一氏


沖縄でリゾートオフィス展開
人を第一に考えたデザイン

2023/2/21

(株)マッシグラ沖縄タイムス 代表取締役社長 金子智一氏
 (株)マッシグラ沖縄タイムス(沖縄県那覇市)は、沖縄県内でリゾートオフィス・価値共創型ワークプレイス「howlive」の開発・運営、ワーケーションに関する企画などを行っている。howliveは5店を展開し、イオンモール沖縄ライカムにも出店。ABW(Activity Based Working)理論に基づいたオフィスデザインで、人を第一に考えたワークプレイスを提供する。同社代表取締役社長の金子智一氏に聞いた。

howliveイオンモール沖縄ライカム店内
howliveイオンモール沖縄ライカム店内
―― 貴社の概要から。
 金子 琉球銀行と沖縄タイムス主催のベンチャー支援プログラム「OKINAWA Startup Program」に、私が代表を務める(株)マッシグラが参加し、そこで縁があって2018年6月に沖縄タイムスと合弁でマッシグラ沖縄タイムスを設立した。当初は2社の共同事業として立ち上げたが、琉球銀行や大同火災、沖縄振興開発金融公庫といった沖縄県内の企業・団体、または個人などから出資をいただき現在に至る。
 現在の運営施設は、自社運営するhowliveの5店に加え、指定管理で宮古島にある「宮古島市ICT交流センター」も手がけている。このような施設運営以外にも、ワーケーション企画を30件超、イベントを70件超の実績がある。入居社数は延べ300社で、一時利用のドロップインは4500件超あり、出張や急なテレビ会議など様々な用途でご利用いただいている。

―― howliveについて。
 金子 howliveは、価値共創型ワークプレイスと位置づけ、「タイムスビル店」「イオンモール沖縄ライカム店」「読谷残波岬店」「名護宮里店」「宮古島店」を展開している。
 ハード面の特徴の一つに“ABW理論に基づいたオフィスデザイン”を前提にしていることが挙げられる。これは、人が行う作業によって働く場所を変えるという考え方で、例えば企画を考える仕事、PCでひたすら入力をする仕事はまったく違う作業であり、それぞれの作業に合った場所(環境)のほうが効率が上がる。howliveでは全店に少なくとも6つのレイアウトをセッティングし、業務内容によって仕事をする環境を変えることができる。
 また、PCや電話といった仕事で使うツールは昔に比べて軽量化、ワイヤレス化、電池効率の向上など劇的な進化を遂げたが、オフィスレイアウトはこれらと比較すると大きな変化が見られない。オフィスももっと自由なレイアウトをしようという考えで、これを突き詰めていくと、例えば目の前に青い海が広がっているとか、ゆったりできるリゾート地で働けるというのが、効率的に働けるオフィスというものの、もう一つ外側のフレームだと思う。

―― 他のコワーキングスペースとの差別化は。
 金子 沖縄県内はもちろん、日本国内には数多くのコワーキングスペースがあるが、「リゾート」と「快適なレイアウトの哲学」を掛け合わせてコワーキングスペースを提供しているところは多くなく、少なくとも沖縄県内では当社がナンバーワンだと思っている。例えば「海が見えるオフィス」を掲げているところもたくさんあるが、これをしっかりとコンセプトに持って事業を行っているのはおそらく当社だけなので、そういう点ではリゾートオフィスとしてオンリーワンを目指している。
 やはり、働く場所=オフィスが快適だからこそ生産性が上がり、生産性が上がれば企業としてもっと成長できる。当社はワークプレイスの提供というアナログな面もありながら、デジタルの提案も行うなど、アナログとデジタル両方の良さを最大限に活かし、働く人を第一に考えたワークプレイスを提供している。それが働く人のクオリティオブライフの向上、結果的には企業の成長にもつながっていくと思う。

(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2482号(2023年2月7日)(7面)

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