商業施設新聞
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第511回

(株)焼肉坂井ホールディングス 代表取締役社長 高橋仁志氏


12業態63ブランド448店展開
業態開発などで700店まで拡大

2026/1/20

(株)焼肉坂井ホールディングス 代表取締役社長 高橋仁志氏
 「焼肉屋さかい」を中心に焼肉、回転寿司、居酒屋、ファストフードを展開する(株)焼肉坂井ホールディングス(名古屋市北区)が新たな成長路線を打ち出した。現在はリブランディングを鋭意進めているが、今後は立地開拓や業態開発、M&Aなどを行い、店舗数をピーク時の500店に復活させ、いずれは700店まで増やしていく考えだ。陣頭指揮を執る代表取締役社長の高橋仁志氏に現況や今後の展望を聞いた。

―― 2026年3月期上期を振り返って。
 高橋 25年5月まで売り上げは順調に推移したが、6~7月は厳しく、8月は逆に繁忙期となった。9月はカレンダー的に日曜日の並びが悪く、週末に雨も多かったので、焼肉店を中心に売り上げは低調に推移した。今春以降、消費のトレンドが変わっており、利用客に少し消費疲れが見え隠れする。そのような状況下でも、リブランディングした「壁の穴」は売り上げが好調に推移し、成果を上げている。

―― 現在の店舗数は。
阪神米穀(株) 代表取締役社長 田中 隆氏
 高橋 当社は焼肉、回転寿司、居酒屋、ファストフードの4つのカテゴリーに分け、12業態/63ブランドで448店(国内432店、海外16店、25年11月30日現在)を運営している。いずれの店舗も高付加価値にシフトするためのリブランディングを実施しており、随時、店舗デザイン、メニュー、価格を見直している。
 焼肉は郊外型の焼肉屋さかいや、オーダーバイキングを採用した「肉匠坂井」を展開し、売り上げは堅調に推移しているが、今後は昼の焼肉店や街の焼肉店、そして、ハイブランド店と3つのカテゴリーを加える。昼の焼肉店はすでにりんくうプレミアム・アウトレット内に「京都サカイ」を開店した。直近はグランドメニューを刷新しており、松阪牛や神戸牛などのブランド牛を前面に打ち出し、客単価は1300~1400円から1800円まで向上した。この昼の焼肉店はロードサイドを中心に展開していく。
 街の焼肉店はターミナル駅の駅前に出店する。現状、1店あたりの投資コストは以前より約1・5倍に増えているので、30坪程度の小さな物件なら投資コストを抑えられ、人も集まりやすい。ハイブランド店は国産の銘柄牛を使った店舗を新たに開発し、銀座などで出店していく。焼肉店はこれら5つのカテゴリーで店舗を展開し、〝焼肉の総合レストラン〟としての地位を確立していきたい。

―― 他のカテゴリーは。
 高橋 都心に店舗を増やしたいと考えており、居酒屋は新業態を開発する。当社は「村さ来」や「とりあえず吾平」などバラエティに富んだメニューの総合居酒屋が多かったが、今後は火を通した魚や干物などを提供する海鮮居酒屋や、肉と酒を扱う焼肉酒場などを新たに開発し、試行錯誤を重ねていく。25年3月にリブランディングを行った「ヤマダモンゴル」も、居酒屋部門を代表するブランドとなるだろう。前述の村さ来は元祖チューハイ、とりあえず吾平は個室という売りがあるものの、専門性に欠けるため、26年3月期中にリブランディングを実施したい。

―― リブランディングに精が出る。
 高橋 当社は25年10月1日に事業部の集約を完了しており、次は各ブランドの集約を行っていく。ポイントは二毛作で、アイドルタイムをどのように埋めるかが重要となる。例えばりんくうプレミアム・アウトレット内の「RINKU FOOD PARK」に出店した「アンニョン」は、食事とスイーツの二毛作で展開する新業態だが、売り上げは絶好調だ。隣接する「チャールストンクレープ」も売り上げが好調に推移しており、アイドルタイムを獲得できる業態の開発も必要だと感じる。
 RINKU FOOD PARKのようなフードパーク業態は、現在、「イオン防府店」(山口県防府市)と「ラピタ」(島根県出雲市)でフードコートを運営しているものを、27年3月期からフードパーク業態として見直しを図っていく。パーキングエリアも含め、フードコートの案件は持ち込まれる機会が多く、フードパーク業態としての展開も視野に入れる。

―― 今後の課題と中長期的な目標を。
 高橋 私が社長に就任してからM&Aは1~2件しか手がけておらず、規模の拡大を図りたい。海外は「うさぎの杜ベーカリー」や「平禄寿司」、村さ来をアジアや東南アジアでフランチャイズ展開しており、26年3月期は10店程度を出店したが、27年3月期以降も年間10店ペースで出店していく。
 国内は現在、42都道府県に店舗を展開しているが、未進出エリアの山形県、秋田県、群馬県、奈良県、宮崎県に店舗を構え、早期に47都道府県への進出を果たすとともに、ピーク時の500店を復活させたい。将来的には700店まで増やす構想を掲げている。


(聞き手・副編集長 岡田光)
商業施設新聞2629号(2026年1月13日)(8面)
経営者の目線 外食インタビュー

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