(株)アンドエスティHD(東京都渋谷区)グループの(株)アダストリアは、様々なブランドを展開しているが、その中でも特に成長しているのがライフスタイルブランド「LAKOLE(ラコレ)」だ。アパレルに加えて食器などホームファッションを多く取り揃えることで多くの集客を実現し、100店到達も目の前に迫っている。2025年には海外展開もスタートし、さらなる成長が見込める。同社ラコレ営業部部長の國末由慈氏に話を聞いた。
―― 店舗数や売り上げなど、足元の状況は。
國末 26年2月期は98店で着地する計画だ。今期は11店出店し、グループの中でも特に出店が多かった。店舗数が伸びたことに伴い売り上げも伸び、第3四半期まで110%程度で事業成長している。27年2月期はブランド誕生から10周年で、春ごろに100店を達成できると思う。
―― 商品のカテゴリーは幅広いです。内訳は。
國末 売り上げ規模のカテゴリー比は、アパレル46%、服飾雑貨17%、生活雑貨35%、グロサリー2%程度。アパレルが約半分を占めるがメンズとウィメンズで分かれるため、実際は生活雑貨が一番大きい。商材の数も生活雑貨が圧倒的に多く、標準店舗では常時1000SKU程度を用意している。アイキャッチとなる商品を店頭で展開し、1カ月~1カ月半でサイクルさせ、入店を促進している。
―― 商業施設の中でもよく目にするようになりました。店舗立地について。
國末 店舗は約7割がSCで、残りの3割がファッションビルや百貨店などとなる。単価が高い業態ではないのでなるべく店舗前のトラフィックが多いところに出店している。
店舗の広さは平均120坪ほどで、ファッションビルだと30~40坪程度。飛び地を含めて少なくとも計50坪は欲しいと考えている。広さによってMDも異なってくるが、メンズアパレルを丸ごと抜くなどカテゴリーを編集しバランスを取っている。店舗面積がコンパクトな場合でもカテゴリーを編集して出店できるのでフレキシブルな店を目指していきたい。
―― 成長が著しく、デベロッパーからの引き合いも多いのでは。
國末 出店のお声がけは多く、SCやデベロッパーからは客数やそれに紐づく売上規模、坪効率に期待する声をいただいている。特に客数は当ブランドの強みと認識しており、坪効率の向上も推進していきたい。
―― 雑貨・ファッションを強みにしたブランドは数多くありますが、ラコレの強みは。
國末 当社グループの「ニコアンド」のような心が躍る情緒的な価値を大切にしながら、ベースに機能的な価値を据え、部屋に置くだけでインテリアになるような、生活に一番近いブランドであることを大事にしている。「日常生活」「ファッション性」「価格」を三本柱にし、社内デザイナーやテーブルウエアであれば窯元さんと協力しながら商品企画に取り組んでいる。
グループで生活雑貨を扱うブランドとして「スタディオクリップ」や「トゥデイズスペシャル」があり、こちらはファッションが好きな方向けや、単価が高めなどの特徴を持つが、ラコレはコモディティ(日常生活)を中心に据えている。お手ごろながら映える商品、また商品の良さが伝わるような内装・什器の配列を心がけており、こうしたことも評価いただいているのではないか。
―― 出店が加速しています。注力したい立地は。
國末 3大都市圏の、特に未出店となっている準郊外の商業施設への出店を目指している。SCに出店する場合、ラコレの世界観が表現できる坪数を確保したい。ただ、コンパクトであっても多くのお客様にラコレを知っていただくために積極的に展開したいと考えており、ターミナル駅地区にも出店していきたい。実は東京都内はほとんど店がなく、出店したいエリアの一つだ。
新しい取り組みとしては25年11月、富山県に初のセルフレジ中心店舗となった「フューチャーファボーレ店」を出店した。これまでセルフレジは有人レジを補完する立ち位置だったが、人手不足などの面からもオペレーションの考え方を180度変えなくてはという意識があった。まだトライアルの段階だが今のところ問題はない。
ラコレではお客様にお買い物における時間の使い方を選択してもらい、人件費効率の面でも、いかに効率よくお買い物してもらうかを考えている。人件費率を抑えるオペレーションの仕組みや、雑貨の値入れ・商品の粗利を改善しながら、ラコレでのチャレンジをグループ全体に活かす形で横展開していければと思う。
―― 25年3月に海外実店舗を出店しました。手応えは。
國末 海外1号店として台湾・台北に「ららぽーと南港店」をオープンした。とても好調で、台湾は外食文化と言われているがテーブルウエアの反応が良い。メンズアパレルも好調で、ウィメンズアパレルをもう少し上げたい。
今後の海外展開は、具体的な話はまだ出ていないものの香港や東南アジアでの展開を広げていきたいと考えている。台湾ではまだできることや伸びしろがあると捉えており、引き続き注力したい。
(聞き手・編集長 高橋直也/サリョールサラ記者)
商業施設新聞2630号(2026年1月20日)(5面)
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