先日、奈良県桜井市に輸入車専門中古車店「ROUND MOTOR」がオープンした。中古輸入車の販売のほか、子ども向けの自動車整備体験やレンタカー事業、カフェやドッグランを併設した地域のコミュニティ拠点となるような新たなスタイルの中古車販売店だ。
その一角にあるカフェは、奈良県の橿原市や大和高田市で飲食店を展開するGJダイニング㈱がプロデュースする新業態だ。店内は隣接するドッグランが見渡せる、大きく開放的な窓が印象的で、ソファ席やカウンターなど26席を確保。また、テラス席や愛犬とともに入店できるようリードをつなぐフックも設置しており、愛犬とのお出かけ前や非日常的なレジャー利用に便利そうだ。隣接するドッグランは、約25mの芝生コース2本を整備した広々とした空間で、愛犬が走る様子をカフェのテラス席や窓際の席から眺めながらゆっくりくつろげる。
カフェは、メニューも力を入れており、フードとドリンクを各約20種類用意している。注目した季節限定のメニューでは、古代奈良で作られていたとされるチーズ「蘇(そ)」を添えたカレーやテリーヌを提供。蘇は、古代当時の製法とされる工程をそのままに製造している。また、テリーヌも小麦粉を一切使わず低温でじっくり焼き上げてこだわっている。メニュー開発では、蘇を添えることで、レンタカー利用で遠方から訪れた人には観光気分を、地元の人には奈良の魅力を再発見して欲しいという思いを込めたという。
蘇は、主に飛鳥時代から平安時代にかけて日本で作られていた乳製品の一種と言われている。奈良県は蘇の発祥の地と言われており、奈良県では名品として販売されている。最近ではSNSで話題になり、牛乳を材料に復元に挑戦する人もみられる。そんな蘇を試食させてもらったのだが、サクサクとした食感と口の中に広がるしっとりとクリーミでかつ濃厚な味わいの融合が新しく、古代奈良の未知な時代を堪能しているようだった。
「ROUND MOTOR」にあるカフェでは、カレーとテリーヌに添えて提供していたが、色々な食材と組み合わせて、おやつやおつまみ、メインディッシュとしても活用できそうな食材である。今後もカフェでは、季節限定の様々なメニューを考案する予定で、多くの人に楽しんでもらえる店づくりを行っていくそうだ。
蘇のように、古代の人の食事を現代に生かすなど歴史のロマンを感じる食材は、まだまだ日本にありそうだ。