商業施設新聞
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第294回

静鉄プロパティマネジメント(株) 常務取締役 セノバ事業部長 佐藤壽康氏


セノバを2期に分け大改装
中心市街地の賑わいを刺激

2021/8/24

静鉄プロパティマネジメント(株) 常務取締役 セノバ事業部長 佐藤壽康氏
 静鉄プロパティマネジメント(株)は、「新静岡セノバ」で飲食と食物販を中心に、前篇(6月)と後篇(9月)の2期に分けて大規模リニューアルを進めている。「中心市街地のにぎわいの起爆剤としたい」とする同社常務取締役 セノバ事業部長の佐藤壽康氏に事業戦略を聞いた。

―― リニューアル計画の概要から。
 佐藤 Re:Fresh(リ:フレッシュ)」をコンセプトに、地下1階のフード パーティー(食物販)と地上3階のフードコート「セノバキッチン」を中心とした食ゾーンを大きくリニューアルする。コンセプトには、原点回帰の意味を込めた「Re:」と、いきいきとした賑わい・憩いの場を新たに創出する意味を込めた「Refresh」の2つの想いを込めた。開業10周年を迎えるセノバから、ワンランク上の“楽しい”“おいしい”をお届けしたい。前篇の6月24日には、移転・改装を含めて16店が開店した。後篇の9月22日には8店がオープンする予定だ。

―― 狙いは。
 佐藤 セノバは、お客様と従業員ともに女性が多いことから、女性を大切にしている。地下1階の食物販での主なターゲット層は、育児や仕事で働く忙しい女性。リニューアルしたセノバで買い物をしていただき、自分へのご褒美でパワーチャージをしたり、あるいはほっと一息つける安らかな気分を楽しんでいただきたい。食物販では、ゾーン全体を見回しやすく、また買い回りしやすい導線とした。イートインスペースも新設した。毎日の食卓に1品、2品を加えていただける品揃えを心掛けている。

―― 食物販での新たなテナント構成について。
「CENOVA SELECT」などがオープン
 佐藤 「RF1」がプロデュースする惣菜のセレクトショップ「グリーン・グルメ」や県内初出店となる焼き鳥の「焼き鳥 串くら 京都・御池」などの全国の人気店のほか、静岡の有名飲食店が新業態として出店する「GKB 御殿場高原ビール」や「祥瑞 デリカテッセン」などが集結。「广匠 花城」「とんかつ新宿さぼてん」「魔法のケーキ屋さん ぷるみえ~る」は、装いを新たにリフレッシュオープンした。セノバがセレクトした静岡の“イイモノ”が詰まった期間限定ショップ「CENOVA SELECT」(ガンバロウ シズオカ!プロジェクト)もオープンしている。1店目として、和紅茶専門店「ニガクナイコウチャ」が、清水区の両河内の香り高い緑茶や苦みの少ない和紅茶を8月末まで販売する。

―― 3階のフードコートは。
 佐藤 近隣で働くOLやサラリーマンの元気が出るようなテナント様に入っていただいた。知る人ぞ知る東京・葛西に本店を構えるラーメンの人気店「支那そば ちばき屋」が静岡県初出店。また、韓国料理専門店「韓美膳(ハンビジェ)」、讃岐うどんの「つるさく」も県内初出店。「築地銀だこ」は新たにリフレッシュオープンした。客席は全体を刷新してカウンター席を増やした。フードコートは1~2人のお客様が多く、おひとり様でも使いやすくした。

―― 前篇の完成度への満足度は。
 佐藤 今回の出店社様は、県内外比率が半分ずつで、バランスよく出店していただいた。お客様を元気にするために、我々もともに精一杯話し込み、真心を込めて商品開発した。コロナ禍であるにもかかわらず出店していただき、感謝を申し上げたい。

―― リニューアル後篇について。
 佐藤 8店が9月22日にオープンする予定だ。食物販では、静岡県初出店となる、暮らしを提案するブーランジェリー「ブールアンジュ」がオープンする。本場フランスのパン作りをベースに世界中から激選した小麦粉を使用し、シーズンごとに届く旬の素材を掛け合わせ、見た目も美しく美味しいパンを提案する。1日に3000個を売り上げるクロワッサンは、一度はお試しいただきたい一品だ。人気スイーツ店「チーズピゲ」も売り場を拡大してオープンし、全3店が仲間入りする。フードコートでは、改装を含めて4店がオープンする。5階のレストランのセノバ・ザ・ダイニングにも1店がオープンする予定だ。

―― セノバ周辺の中心市街地の様子は。
 佐藤 静岡市中心市街地は、コロナ禍が続くことからまだ元気がない印象だ。当施設のリニューアルが中心市街地の賑わいの起爆剤になってくれれば良いと考えている。


(聞き手・笹倉聖一記者)
※商業施設新聞2406号(2021年8月3日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.354

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