電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内

半導体サプライチェーンを議論


~「オンラインセミナーイベント」開催~

2021/7/26

シニアコンサルティングディレクター 南川明氏に聞く
シニアコンサルティングディレクター
 南川明氏に聞く
 大手調査会社のOMDIAは、8月3日14時から今後の半導体産業があるべき姿について議論・提言を行うオンラインセミナーイベント「Global Semiconductor Day ~今後のカギを握るグローバル半導体サプライチェーンの在り方~」を開催する。基調講演を担当するシニアコンサルティングディレクターの南川明氏にプログラムの概要や注目ポイントを伺った。

―― 開催の目的から。
 南川 米中の分断がもたらす影響にはプラスとマイナスがあり、過度なデカップリングは日本にとってもデメリットが大きい。安全保障上の問題などを整理しつつ、日本企業に最善の方向性を示したいというのが開催の趣旨だ。
 半導体不足が騒がれる昨今、業界は世界的にみて極めて厳しい状況が続いている。依然続く新型コロナウイルス禍も相まって、生産と供給面で世界的に乱れが生じているが、米中サプライチェーンの分断がもたらす影響を見据え、オープンイノベーションによって半導体産業を発展の軌道に乗せることが、目下の目標だと言える。

―― プログラムは。
 南川 まず私が基調講演を担当し、複雑に絡み合っているデバイス、装置、材料に関する半導体産業サプライチェーンの現状を可視化する。すでに中国は世界の半導体の40%を消費しており、これをデカップリングするというのは非現実的だ。米国が圧力を強めているが、「ビジネスはビジネス」と捉えて、日本企業だけが取り残されないようにしなければならない。

―― ほかの講演者については。
 南川 4人のゲストスピーカーをお招きする。東京大学公共政策大学院教授の鈴木一人氏に「日本における半導体サプライチェーンの方向性」について、半導体メーカーのインフィニオンジャパンに「企業が望む半導体サプライチェーン産業の今後」について、そして業界団体から「グローバル視点によるサプライチェーンの重要性」について、それぞれ語っていただく。
 それぞれの立場から、サプライチェーンの現状をどう考えるか、モノ不足にどう対処していくか、シェアに対する悪影響などはあるのか、など示唆に富んだ話が聞けるはずだ。

―― 最後にはパネルディスカッションもあります。
 南川 講演者に加え、SEMIジャパン 代表の浜島雅彦氏、電子情報技術産業協会(JEITA)、経済同友会 副代表幹事でJSR(株)名誉会長の小柴満信氏を交え、半導体サプライチェーンのあるべき姿を議論したい。
 デカップリングに対して日本企業が何も対策しなかった場合のワーストシナリオや、対立があるなかで日本企業がどうやって中国市場でシェアを獲得していくのか、あるいは中国の企業や市場とどのようにうまく付き合っていくかという点などについて、登壇者から様々な意見を引き出せるようにしたい。

―― 対立しつつも、欧米は今のところ中国とうまくビジネスしているようにも見えますね。
 南川 そのとおりだ。日本企業は概して受け身の姿勢で、政府や経済産業省の決定を待ちすぎるきらいがあると思う。国は大枠を決めることはできても、個々の企業の状況に応じたビジネスの細目までは決められないため、企業がそれぞれ独自に判断する必要がある。本セミナーをそうした判断材料の1つになるような場にしたい。


(聞き手・特別編集委員 津村明宏)



 「Global Semiconductor Day ~今後のカギを握るグローバル半導体サプライチェーンの在り方~」の詳細情報はhttps: //omdia.oatnd.com/global-semiconductor-day-augまで。
サイト内検索