商業施設新聞
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No.418

関西初出店の魅力


岡田 光

2013/7/23

 今年の春も「グランフロント大阪」「ピオレ姫路」「あべのハルカス近鉄本店」などの大型商業施設が次々開業し、これらに出店した日本初、関西初の店舗にも途絶えることのない行列ができた。今春は有名専門店の関西初出店が多く、4月に「Forever21 大阪道頓堀店」、5月に「トレジャーファクトリー 神戸新長田店」、そして6月には「エッグスシングス 心斎橋店」がオープンした。中でも印象に残ったのは、トレジャーファクトリーとエッグスシングスの2店だ。

 トレジャーファクトリーの関西1号店は、JR神戸線「新長田駅」から、鉄人28号のモニュメントを横目に見て、新長田一番街商店街を通り抜けた右手にある商業施設「アスタプラザ ウエスト」の1階にある。(株)トレジャー・ファクトリーは首都圏を中心に総合リユースショップ「トレジャーファクトリー」などを67店展開しており、企業名は新聞や雑誌でよく耳にしていたが、東京に本社があるため、どのような店舗を展開しているのだろうか?と、内心ドキドキしながら店を訪れた。

 取材日がオープン日に重なったこともあるが、まず驚いたのは、店内に入っていくお客さんの数。カップル、親子連れ、若い男女、老夫婦と、幅広い年齢層の顧客が次々と来店し、レジの前には長蛇の列が絶えなかった。
 また、同店の品揃えの豊富さにも驚いた。衣料品やホビー用品といった定番商品に加え、家具や家電も揃えており、冷蔵庫や洗濯機がズラリと並ぶ光景は、家電量販店を連想させた。もちろん、リユースショップとしての探す“楽しさ”はそこかしこに表現されており、食器などは箱に入れて展示し、顧客にジックリ選ぶ時間を与えている。個人的には、2mを超すキリンの置き物を誰が買うのか、という点に非常に興味をそそられた。

2mを超すキリンの置き物
2mを超すキリンの置き物
 エッグスシングス 心斎橋店も、別の意味で強烈なインパクトを受けた店舗である。同店はEGGS'N THINGS JAPAN(株)が展開するハワイ発カジュアルレストランで、心斎橋店は原宿店、横浜山下公園店、湘南江の島店に次ぐ4店目となる。明るく楽しいアットホームなローカルハワイの雰囲気を踏襲したインテリアで、店舗面積267m²、席数108席は原宿店と同じ規模だが、原宿店よりもテラスの面積を減らすことで、店内を広く見せている。また、ゆったりと過ごしやすい空間を作るため、ローソファや背の低いテーブルも導入。天井にはシーリングファンも4台備えており、まさに“南国”のリゾート空間を店全体で表現していた。

食べるのに苦労した、ストロベリーホイップクリームとマカデミアナッツのパンケーキ
食べるのに苦労した、ストロベリーホイップ
クリームとマカデミアナッツのパンケーキ
 筆者が取材に訪れた当日は、新聞やテレビなど多くの報道陣が詰め掛け、しかも店内で従業員が研修を受けていたため、すごく賑やかであった。メニュー構成、ターゲット層、今後の出店計画などを荻野社長から聞いた後、商品も撮影しますか?と尋ねられたので、「はい、お願いします」と快く返事した。
 しかし、出てきた商品を見て思わずビックリ。パンケーキで一番人気のストロベリーホイップクリームとマカデミアナッツ(写真参照)を試食させていただいたが、パンケーキ5枚の上にこれでもかとホイップクリームが乗っており、食べても食べても終わりが見えなかった。15分かけてようやく食べ終えたが、取材よりも試食に時間を要したのは、初めての経験であった。

 ここで取り上げた2店は、オープン後も訪問したが、トレジャーファクトリー 神戸新長田店は相変わらず活況で、店内は新長田という地域性もあり、年配の方が多く見られた。エッグスシングス 心斎橋店も連日大盛況で、お昼時は1時間半待ちという声も聞かれた。こうした関西1号店が少しずつ増えていけば、関西の景気も徐々に上向いてくるだろう。
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