商業施設新聞
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No.793

時代に合わせなくては


若山智令

2021/2/9

 最近、セルフレジの導入が進んだと感じる。コロナ禍にあって非接触は重要だし、自分で会計を行うほうが楽で早い場合もある。感染予防の観点でも、お金の受け渡しにリスクがあるならなおさらだ。店舗側からすれば、レジスタッフの労力軽減や作業効率の向上などのメリットが期待できるため、数年前から導入に取り組んでいたところもある。一方、セルフレジの使い手としては、まだ慣れない自分もいる。セルフレジを克服し、時代に合わせた人間にバージョンアップしなければ。

 スーパーマーケット、コンビニ、外食チェーン店など、様々な場所・店でセルフレジを目にすることが多くなった。元々、セルフレジ自体の導入は以前から進んでいて、筆者ももちろん使用したことがある。そして今回の新型コロナがあり、普及が進んだ側面もあるだろう。

 筆者的に一番使いやすく、最も効果が高いと思うのはスーパーマーケットの「セミセルフレジ」だ。商品の読み取りまでは店員が行い、その後の会計作業を自分で行うもので、商品の読み取り後は店員が指示するレジで精算をする。個人的には、会計においてお金の受け渡しが、一番時間がかかると思うので、例えば自分がレジ待ちの列に並んでいたら、ここが省かれるだけで精神的にだいぶ優しくなる。

レジゴー専用のレジ
レジゴー専用のレジ
 変わり種としてはイオンの「レジゴー」は良い仕組みだと思う。お店に置いてある専用端末を使用し、客自身がバーコードを読み取り、買い物が終わったらそのデータを送信して専用レジで支払いをする。ネットスーパーとは違い、実物を見ながら買い物ができるため、例えば買い物をしながら献立を考えたい人などは、普段の生活から大きな変化も受けない。そして何より、データ送信後に専用レジで会計なので、レジ待ち時間がないのがありがたい。

 反対に、コンビニのセミセルフレジは個人的にまだ慣れていない。最近、会社の近所の店もセミセルフレジを導入したのだが、毎回戸惑ってしまう。要領はスーパーマーケットと同じはずなのに、コンビニでは買う点数が少ないからなのか、それともただ単に気分的なものなのかはっきりしないが、まだスマートに使いこなせていない。また、個人的にはコンビニのセルフレジなら、ニューデイズの「フルセルフレジ」が好きだ。読み取りから精算まですべて自分で行うもので、自分でする作業はこちらのほうが多いはずなのだが、こちらのほうがしっくりくる。

 こうしたセルフレジの導入は小売店だけではなく、外食チェーンでも始まっている。例えば筆者がよく行く牛丼チェーン店では、レシートを会計スタッフに渡し、レシートの読み取りまでは店員が行い、精算だけを自分で行うレジを導入している。この店は、注文もタッチパネル式になっていたりと、元々こうした取り組みが盛んであったため驚かないが、ライバル企業に先行して導入する姿勢は素晴らしいと思う。

 これから人口が減少し、ますます人手不足が進む。さらに今回のコロナによって、セルフレジ導入の波が一気に来るかもしれない。2021年はセルフレジに慣れる、そんな年にしたいと思う。
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