商業施設新聞
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No.1002

TSUNASHIMA CRAFT BEER FESTに行ってみた


松本顕介

2025/4/15

 去る3月29、30日、横浜市の東急東横線綱島駅と東急新横浜線新綱島駅近くで、「TSUNASHIMA CRAFT BEER FEST」が開催された(29日は雨天中止)。主催は(株)東急モールズデベロップメント、綱島商店街連合会、東急(株)。記念すべき第1回の開催であり、神奈川県内有数のクラフトビールブルワリーが集結するとあって行ってみた。

 神奈川県内にはクラフトビールの醸造所が39カ所あり、国内有数のクラフトビールの集積地。今回のイベントでは、横浜市、川崎市、横須賀市内からブルワリー8店が集結した。3月29日土曜日の参戦を予定していたが、あいにくの雨。前日、前々日の夏日のような陽気とは打って変わって、真冬に逆戻りしたような1桁台の気温。屋外でビールを楽しむというよりは、コタツで鍋と日本酒のような気候であり、行くのを断念したが、イベントも中止となった。改めて翌30日に出直した。

 会場は綱島駅西口前商店街と新綱島駅徒歩1分に位置する商業施設「Pit Terrace」の2カ所。綱島駅は1915年に「綱島温泉駅」として開業した。綱島駅はかつて「東京園」などで知られた温泉街があり、商店街も昭和の面影を残す。一方、新綱島駅は2023年3月に東急線と相模鉄道の相直運転により誕生した新駅だ。地下深くに設けられたホームから地上に出ると、新しい街の雰囲気が感じられ、綱島駅とは対照的に旧市街と新市街の趣きがある。

人気ビールは早々に売り切れに
人気ビールは早々に売り切れに
 通行量の多い綱島駅西口商店街では、ハイテーブルを設置し立ち飲みスポットとして「クラフトビールとの出会い」を演出した。顔を赤らめた飲兵衛が楽しそうに語らう姿は旧市街の街バルの雰囲気を醸し出していた。一方、新綱島エリアのPit Terraceでは、「ゆったりとクラフトビールを楽しむ」ことができるようテーブルやいすの設置に加え、ビールと一緒に楽しめるキッチンカーフードが用意されて、家族連れも目についた。Pit Terraceに午後2時過ぎに到着すると、たくさんの人だかりで、ビールの売り場には長蛇の列ができており、午後2時の段階で売り切れも出始めていた。

 このイベントを通して、新綱島駅の回遊や街の賑わいの創出を目指したとしており、主催者によれば、来場者数は測っていなかったが、2000枚用意したスタンプラリー台紙は早々に無くなるほどの予想を上回る人出となったという。年に何度もやりたいとの声が上がったという関係者もいた。25年は値上げラッシュの年で、奇しくも翌々日の4月1日から、4000品目以上が値上げされ、国内大手ビールメーカーも一斉に値上げを実施した。財布の紐が多少固くなっても、賑わい醸成の気運は溢れんばかりであると感じた。
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