商業施設新聞
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No.1001

スタバがやってきた


岡田 光

2025/4/8

伏見桃山に開店した「スターバックスコーヒー」
伏見桃山に開店した「スターバックスコーヒー」
 1996年に東京・銀座に日本1号店を開業し、世界80を超えるマーケットで約4万店以上を展開するスターバックス コーヒー ジャパン(株)。2月に日本で2000号店となった「スターバックス ティバーナ ストア 銀座マロニエ通り」をオープンし、3月には大阪らしさを感じてもらえる店舗として「スターバックス コーヒー うめきたグリーンプレイス店」を開店するなど、日本でも精力的に出店を続けている。そんなスターバックス コーヒーが私の住む街、京都・伏見桃山に新店をオープンした。

 以前、このコーナーで「わが街、伏見」と題し、私の住む街を紹介したが、あれから10年が経過した。10年が経つと商環境は大きく様変わりする。まず変わったのが、旧イオン伏見店の跡地に開業した「イオンスタイル伏見桃山」。上層階に東急不動産(株)が分譲マンション「ブランズ伏見桃山」を設け、下層階の1~2階にイオンスタイル伏見桃山が出店した。旧イオン伏見店が4層構造のGMSだったので、地元では「イオンリテールが手がけるそよらが伏見桃山に出店するのでは?」という噂話が飛び交ったが、結果的にイオンスタイル業態に落ち着いた。近くに商店街「伏見大手筋商店街」が立地するので、SC(そよら)では商売に影響が出るという声でもあったのかもしれない。個人的には1館で様々なモノが揃うので、そよらを入れてほしかった。

 その伏見大手筋商店街でもテナント入れ替えは進んだ。10年前にあった「サンマルク」は閉店し、跡地に「ホリーズカフェ」が出店。1番街にあった「ケンタッキーフライドチキン」も閉店し、その跡地には(株)FOOD & LIFE COMPANIESが手がける「杉玉」がオープンした。最大の変化は、伏見大手筋商店街の特徴でもあった3大メガバンクの1つ、「三井住友銀行 伏見支店」が閉店したことだ。同じ伏見区内の商業施設「MOMOテラス」内に店舗を移転し、今流行りの「Olive(オリーブ)」を前面に打ち出した新店として再オープンした。

 この10年で大きく変わってしまった伏見桃山であるが、そのような状況下でも出店してもらったスターバックス コーヒーには感謝の意を表したい。伏見桃山は高齢者が増え、子どもが少しずつ減っている地域であり、スターバックス コーヒーが出店することで、周辺地域に住む若年層やファミリー層が同店を訪れ、ついでに伏見大手筋商店街を利用するという、買い物を含めた一連の流れが生まれる可能性もある。実際、平日の昼間に同店を通りかかった時は、5~6人の若者が店頭でおしゃべりを楽しんでいた。チェーン店に頼ってしまうことは、本来の商店街のあるべき姿ではないかもしれない。しかしながら、チェーン店が存在することで、その店を知る人が商店街の存在を再認識することにつながる。「ドトールコーヒー」「カフェ・ベローチェ」「コメダ珈琲店」など周囲に競合はひしめき合うが、そのような中でも、スターバックス コーヒーは存在感をより高めてもらいたいと願う。
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