関西で行列ができるチェーン店のひとつに「すし酒場 さしす」というのがある。「大衆 焼肉ホルモン 大松」や「大衆酒場 天神大ホール」などの様々な飲食業態を展開する(株)JOUJOUの主力業態で、関西や福岡市内で14店を展開している。大阪市内にある店舗を見に行くと、開店前から行列ができており、人気の高さを感じられる。メニューは、板前寿司をリーズナブルな価格で提供することをモットーに、寿司をつまみに酒を楽しんでもらう業態となっている。また寿司以外にウニを国産牛の炙りで巻いて食べる「うにく」などの一品料理を充実させているのも特徴だ。2024年7月には日本郵便(株)などが大阪駅前に開発した商業施設「KITTE大阪」内に新規出店するなど、店舗数を拡大している。
こうした中、JOUJOUは新たな業態開発にもチャレンジし、24年11月に「立ちすし酒場さしす」の1号店となる「立ちすし酒場さしす大阪駅前第3ビル店」をオープンした。従来店では座席を設けていたが、立ちすし酒場さしすの場合は、立ち飲みスタイルとなっている。こうすることで、回転率が向上し、行列の解消や満席による顧客獲得の機会損失を減らせるという。また、立ち飲みにすることで、1人での利用者も増加すると想定。メニューにおいても、看板商品の「とろ鉄火巻き」のハーフサイズも用意し、ニーズに対応できるようにしている。ちなみに筆者は会社からの帰り道でこの大阪駅前第3ビル店の前を通るが、平日でも19時ごろになると満席で人気のすごさを感じられる。
24年12月にオープンした「立ちすし酒場さしす新梅田食堂街店」
24年12月には、大阪駅前にある飲食店街「新梅田食堂街」内に2号店となる「立ちすし酒場さしす新梅田食堂街店」をオープン。全面ガラス張りの外観に、大きなのれんがトレードマークになっている。店内は大きなカウンターが設置されており、最大70人が収容可能だという。1950年に誕生した歴史ある飲食店街に出店することで、認知度の向上を図りたいとしている。立ちすし酒場さしすは従来の業態よりも小さい区画でも出店可能であり、店舗展開の選択肢としての一つとして、役割を果たしていきそうだ。
JOUJOUとしては、25年に当初からの目標としていた総店舗数30店が達成される見通しだ。すし酒場 さしすを様々な商業施設などで見かける日が来ることを期待したい。