商業施設新聞
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No.792

コロナ禍で地域の魅力を再発見


北田啓貴

2021/2/2

 2020年春の新型コロナの感染拡大以降、筆者は休日に都心へ出かける機会がほとんどなかった。コロナ禍前は、自宅や地元で過ごさず、大阪や京都などの都心へ行き、買い物や、映画を観に行ったり、街を散策していた。しかし、日本国内でも感染者が出始めた20年2月中旬から都心へ行く機会が減り始め、20年4月の緊急事態宣言以降はほとんど行かなくなった。商業施設新聞の記者としては休日の売り場の動向を感じられないのは複雑な心境であるが、有効な感染症対策は「人が多く集まる都心エリアへの外出をできるだけ控えること」であると思うので、21年早期のワクチン接種開始を期待しつつ我慢の日々を過ごしている。

 一方で、筆者自身は昔からネットショッピングがあまり好きではない。それはサイトの機能性とかそういった類の問題ではなく、「欲しいものはすぐに楽しみたい」というせっかちな性分からだ。そのため、どうしても手に入らない商品以外は自宅周辺にある書店や商業施設に立ち寄って購入している。

「奈良 蔦屋書店」にある雑誌の商品ラック
「奈良 蔦屋書店」にある雑誌の商品ラック
 特に利用した施設の一つが、20年4月にオープンした「奈良 蔦屋書店」だ。総売り場面積は約1000坪に、16万冊の書籍を販売し、映画や音楽、料理などの様々な雑誌を一堂に配した商品ラックなど目で楽しめる売り場づくりが特徴的だ。筆者自身も「奈良 蔦屋書店」のオープンの際に一度取材し、その後はプライベートでも書籍だけではなく、売り場に併設した「中川政七商店」で生活雑貨を購入するなどで頻繁に訪れている。

 それ以外にもコロナ禍以降は、自宅周辺の商店街にある書店や雑貨店などを利用する機会が増えた。特に社会人になり、都心の大型店を訪れる機会が多くなり利用しなくなっていたが、馴染みのある店は売り場も分かりやすく快適に買い物できることを再認識するようになった。

 1月から東京や大阪などを対象に緊急事態宣言が再発令されている。東京では1日あたりの新規感染者数が1000人以上を超える日が頻発しており、外出自粛が求められている。この状況を鑑みると、緊急事態宣言対象の都道府県以外でも外出自粛に努めるべきであろう。ただ、外出を全くしないのもストレスが溜まる。都心には行かずに、こういった機会に自宅周辺や地元の店舗や街を巡って気分転換し、地域の魅力を再発見してみるのも良いかもしれない。
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