懐かしい写真を発見した。数年前、「千歳アウトレットモール・レラ」を取材した際の写真である。この原稿を執筆している時点では完全には閉館していないが、営業しているのは残り数店。完全閉館は間近だろう。施設が所在する千歳市は地元の札幌市に近い。筆者は開業直後に家族で訪れ、その後も幾度となく利用した。取材もしたことがあるため閉館には寂しさを感じる。
ただ、札幌市と隣り合う北広島市には「三井アウトレットパーク 札幌北広島」が存在する。同施設はレラと異なり、屋内型モールであることで、雨でも濡れず、冬でもしばれることなく買い物が楽しめる。また、北広島市の中でも札幌市に近いエリアに所在し、国道36号という幹線道路も近くにあるため、北海道最大のマーケット・札幌市のアクセスはレラよりも良い。用途も微妙に異なっている。三井アウトレットパーク 札幌北広島はアクセスの良さに加え、住宅街が近いためアウトレットでの買い物ついでに、スーパーなど様々な買い回りがしやすかった。対してレラは札幌圏からは少々距離があるため、レジャーのようなイメージだった。
レラは空港から近いという特徴があり、誰もが知るインターナショナルブランドも出店していたので、国際線利用者などは早めに空港周辺に来て、買いものに行くこともあったという。ただ、こうした賑わいはコロナ禍で一気になくなった。また、三井アウトレットパーク 札幌北広島が近接する国道36号は札幌から新千歳空港へ通じる幹線道路であり、施設はインターチェンジとも近いため、空港へのアクセスでは北広島も引けを取らない。レラは最終的に三井アウトレットパーク 札幌北広島との競争などを踏まえて閉館したと推察される。
閉館後の利用法は未定だが、近くではラピダスによる半導体工場の建設が進み、一帯ではオフィス、物流、ホテル、住宅など様々な需要が高まっている。不動産開発の需要はあり、レラの跡地も比較的早く用途は決まると思うが、長年アウトレットとして多くの人に親しまれた場所でもある。オフィスのみ、物流施設のみなど、特定の人だけが利用できる施設ではなく、賑わいがある商業空間も盛り込んだ複合開発をしてほしい。