商業施設新聞
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No.987

「外食アワード2024」と「今年の一皿」はうなぎを選出


笹倉聖一

2024/12/24

 年の瀬になり、商業施設、飲食店ともに賑やかな動きを見せている。商業施設新聞が加盟する外食産業記者会は「外食アワード2024」(特別協賛・外食ソリューションEXPO(居酒屋JAPAN/焼肉ビジネスフェア事務局)を、また取材先のぐるなびは「今年の一皿」を選出した。私が取材担当する飲食の麺業界は新商品を次々と市場投入、一方で株式上場した会社も現れた。各社とも2025年に向けて早くも動き出しているようにみえる。

 外食産業記者会は、「外食アワード2024」として、大倉忠司・(株)エターナルホスピタリティグループ代表取締役社長、佐藤裕久・(株)バルニバービ代表取締役会長、大谷光徳・光フードサービス(株)代表取締役社長、山本昌弘・フランチャイズビジネスインキュベーション(株)代表取締役社長、髙橋英樹・(一社)日本飲食団体連合会専務理事、小川嶺・(株)タイミー代表取締役を選出した。その中で「鰻の成瀬」を展開する、山本昌弘・フランチャイズビジネスインキュベーション(株)代表取締役社長は、私が鰻愛好家であることから引き付けられた受賞者の1人である。

 また、飲食店業務支援のぐるなびは、「今年の一皿」として「うなぎ」を選出した。その年に流行し話題になった、社会の動きや世相を反映している、食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることなどを条件に毎年「今年の一皿」を選出している。私もWEB上の審査員の末席に加えていただき光栄だった。外食記者会の外食アワードと合わせて、いずれも鰻にスポットが当たり、24年は鰻の人気と注目度が高かったことを強く感じる。今後は、外国人観光客の増加とともに鰻の需要がさらに高まると思われるので、ニホンウナギが絶滅危惧種から早く脱却する方策が必要である。

24年締めくくりの新作を仕込む丸亀製麺のスタッフ
24年締めくくりの新作を仕込む丸亀製麺のスタッフ
 年末に突入していく中で、飲食業界は新商品を活発に投入している。トリドール傘下の丸亀製麺が「俺たちのガリバタマヨ豚汁うどん」を年末年始向けに商品化した。21年から共創提携している(株)TOKIOとともに開発したもので、トリドールHD商品開発部の浦郷祐介氏は「お客様に、多忙な年末を前向きに過ごしてもらいたい想いで、豚汁の概念を覆すガツンと旨い新作に仕上げた」と説明している。試食すると、本当にガツンと来る刺激的な味で感激した。

 またイートアンドグループの大阪王将は、創業55周年を記念して、24年に70周年を迎えた「ゴジラ」とコラボレーションした「怪獣王ゴジラ 大阪王将上陸キャンペーン」を12月29日まで展開している。ゴジラ限定メニュー(ゴジラ餃子、ゴジラ担々麺、ゴジラ炒飯)が用意され、私は試食会に出席できなかったので、年末の休暇を利用して是非行ってみたいと思っている。ゴジラの迫力を感じながら食事できる、大阪王将岩本町店ポップアップストアが東京都千代田区の神田須田町にオープンしている。

 一方、横浜家系ラーメンの「壱角家」や、さぬき麺「山下本気うどん」を展開するガーデン(東京都新宿区)は、11月22日に東証スタンダード市場に上場した。記者会見した川島賢社長は「今までの日本の外食企業がやれなかったこと、やらなかったことをどんどんやり、日本の外食企業に新しい風を吹かせたい」と語った。25年2月決算期の見込みとして、167億1000万円の売上高に対して、18億4500万円の営業利益(売上高比11.0%)を掲げている。新年早々にインタビューしたい企業である。鰻および麺を含む外食店が、おいしく幸せな気分になる店、行列が絶えない繁盛店を開発し、25年も明るく楽しい話題を提供し、消費経済を刺激していくことを願っている。
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