商業施設新聞
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No.789

釜山でMICE PJが始動


嚴在漢

2021/1/12

 韓国第2の都市である釜山広域市は、世界的なMICE拠点に飛躍するための中長期プロジェクトをスタートした。
 同市は2020年12月、MICE産業の中長期育成計画立案のための最終的な報告会を開催した。報告会では、展示とコンベンション施設に対するインフラ拡充、大型展示会の開催、国際会議複合地区の特化、釜山型MICEの開発、企業支援と人材育成事業の必要性など、4大推進戦略と16課題、56項目からなる詳細な事業を選定した。また、同プロジェクトの未来ビジョンとして「MICE5.0の最も競争力が高い特化都市釜山」を定めた。4大推進戦略は、(1)BEXCO(釜山国際展示場)第3展示場の追加建設、(2)西釜山に大型展示場(単一面積10万m²強)建設、(3)海雲台の国際会議複合地区(20年4月指定)、(4)釜山港の北港エリアに国際会議複合地区の指定などを進め、特にBEXCOの第3展示場の建設を急ぐ。第3展示場は敷地3万m²強に地下2階地上3階建てとし、24年の完成を目指して第2展示場の隣に位置するオリンピック公園に建設する。また、土地購入費用140億ウォンのほか、建設費2573億ウォンが必要となるが、市は「生産誘発効果1兆8534億ウォン(約1765億円)、就職誘発効果3万1141人など、経済的な波及効果も大きい」ことを強調している。

釜山市海雲台に位置するBEXCO(写真提供:釜山広域市)
釜山市海雲台に位置するBEXCO
(写真提供:釜山広域市)
 MICE需要を創出し、市場を拡大するためにグローバルのMICE誘致団を構成する釜山市。海外の先進都市とのネットワーク構築を通したマーケティングの強化、釜山・蔚山・慶尚南道との共同マーケティングや統合ブランドの開発、MICE協力本部の構成などに取り組む。さらに、スマートMICE産業の基盤作りと、持続可能なMICEエコシステムの造成なども推し進めている。

 特に設置予定のMICE企業支援センターは、脆弱な地方中小企業にとって大きな下支えになる。釜山地域における展示関連事業者は349社で、韓国全土の11.4%に過ぎず、また、従事者の割合は5.3%で、展示関連のマンパワー不足が深刻な状態だ。釜山市は、国立釜山大学校を筆頭に、東亜大学校や釜山外国語大学校など、MICE関連の専門人材が多く輩出される地域で、こうした優秀な人材を活用できる教育インフラを整えている。MICE企業支援センターが設立されれば、地方中小企業への海外マーケティングを支援し、各種の国際取引システムを利用することができる。

 釜山市は「加徳島の新空港建設をはじめ、2030釜山ワールドエキスポ誘致や国際観光都市の選定などで、いまや釜山は大転換期を迎えつつある」とし、「こうしたビッグチャンスを上手に生かせば、グローバルで競争力を持つMICE特化都市に飛躍できる」と意気込む。また、BEXCO第4次産業革命という環境変化と、新型コロナの対応に適合したハイブリッド型MICEエコシステムを構築し、加徳島の新空港建設の可能性が高まりつつあることから、BEXCOエリアのセンタムシティには都心空港ターミナルを建設する構想も盛り込まれている。
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