商業施設新聞
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No.397

B級グルメが賑わいの街づくり


松山 悟

2013/2/5

 2013年に入り、パソコンの2012年分の写真を整理していたら、取材先のことやその日が暑かったとか、雨が降っていたとかを思い出して懐かしくなった。取材における人との出会いは本当に一期一会に近いものがあり、計画が完了したり、担当が変わったりすると、もはや会う可能性はゼロに近くなる。取材相手が釣り好きだわかるとこちらも好きなので、取材がいつのまにか釣り談義になっていたりする。まだ1年も経っていない昔のことのように懐かしさを感じる。

「B-1グランプリin北九州」で賑わうリバーサイド会場
「B-1グランプリin北九州」で賑わう
リバーサイド会場
 さて、12年の写真で特に印象に残ったのは、10月20~21日に北九州市小倉北区で開催された「第7回ご当地グルメの祭典!B-1グランプリin北九州」だ。こんなイベントに、どうしてこんなに人が集まるのだろうと驚いたせいもある。初日は21万8000人、2日目は日曜日だったこともあり39万8000人、合計61万6000人の人出となり、同イベントで過去最高の来場者を記録した。

 会場はリバーサイド会場とシーサイド会場の2カ所に分かれ、両会場を往来するには小倉の繁華街を横切らなければならず、小倉の街全体が賑わっていた。勝山公園を中心としたリバーサイド会場の小高い丘から会場を見渡せば、まるでアイドルの野外コンサート会場のようで、人の海が広がっていた。しかし、敷地が広いせいか、圧迫感などはなく、むしろ心が弾んだ。

「B-1グランプリ」はグルメだけでなく、パフォーマンスも一杯
「B-1グランプリ」はグルメだけでなく、
パフォーマンスも一杯
 全国から63団体が参加。単にご当地グルメを提供するだけでなく、発祥地の伝統文化、観光地をPRするパフォーマンスがあり楽しかった。ゴールドグランプリには、「八戸せんべい汁研究所」(青森県八戸市)、シルバーグランプリには「対馬とんちゃん部隊」(長崎県対馬市)が輝いた。B-1グランプリは、地域活性化を目的とする町おこしのためのイベントで、主催者は「B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」(通称・愛Bリーグ)。毎年、開催地の実行委員会と共同で行う。13年は愛知県豊川市で開催するそうだ。

 第1回でグランプリを受賞している「富士宮やきそば」は、地元の人々が意識もせずに小さい時から食べていた焼きそばを、違う地域の人が食べたらこれは美味しいと人気になり、週末には県外ナンバーが大挙して訪れるようになったという。客が増えれば店もさらに増え、「まがいものは出せない」と質もよくなる。寂れた商店街が賑わいの街となっている。そうなのだ、街は賑わってないとおもしろくない。
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