商業施設新聞
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No.783

埼玉に“オンリーワン”続々


若山智令

2020/11/24

 ここ最近、埼玉県内に“オンリーワン”とも言うべき施設が続々とオープンしている。新たな観光施設を担い、地域の活性化を図るべく面白いところばかり。都道府県魅力度ランキング2020で38位に甘んじた埼玉県の逆襲の一助となるか。

 まず、10月16日、埼玉県飯能市に「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!」が開業した。ここは「ごはんがススムくん」などを製造、販売するピックルスコーポレーショングループが手がけた発酵がテーマのテーマパークで、発酵食品のセレクトショップ「八幡屋」、薪火と発酵のレストラン「フェミー」、野菜×乳酸菌×米糀の発酵デリカカフェ「ピーネカフェ」、発酵の力が体験できるワークショップを行う「パリシャキ研究所」の4棟で構成している。

発酵をテーマにしたメニューを提供。徹底的に発酵にこだわる
発酵をテーマにしたメニューを提供。
徹底的に発酵にこだわる
 内覧会に参加したが、まさに発酵を前面に出した施設で、物販店の八幡屋は漬物や全国から厳選した発酵食品などが購入できる。また、レストランのフェミーは地元の新鮮野菜、旬の食材を使用してシェフが発酵・熟成の伝統技法を使って調理した創作料理店で、ランチ、ディナーともにアラカルトに加え、コース料理も提供する。アラカルトメニューは黒毛和牛の薪火焼き食べ比べステーキ(5500円)、神山水産“頂鱒”の味噌糀漬け薪火焼き(2370円)、新潟県産“越の鶏”塩糀漬け薪火焼き(2150円)、栃木県産“那須高原豚”の味噌糀漬け薪火焼き(同)、黒毛和牛のとろける和風シチュー(2700円)など。

 11月6日には、所沢市に「ところざわサクラタウン」がオープン。同施設は、所沢市とKADOKAWAが共同で進める官民共同の複合プロジェクトで、みどり・文化・産業が調和した、誰もが住んでみたい・訪れてみたい地域づくりを行う「COOL JAPAN FOREST構想」の拠点施設として整備した。エリア内は書籍製造・物流工場をはじめ、KADOKAWAの新オフィス、イベントスペース、体験型ホテル、ショップ、レストラン、商業施設のほか、角川文化振興財団の文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」も立地する。

 博物館や美術館、図書館、アニメミュージアムが融合した「角川武蔵野ミュージアム」やKADOKAWA直営書店の「ダ・ヴィンチストア」、アニメ、ゲーム、映画、特撮、アイドルなどの世界観を様々な形で演出した「EJアニメホテル」など面白いコンテンツが集積した、日本初のコンテンツモールと位置づけられており、あらゆる文化をひとつにしたクールジャパンの拠点として重要な役割を担う。

 最後に12月4日、上尾市に「イオンモール上尾」が開業する。同モールはいわゆる通常のイオンモールだが、ここはイオンモールとして2020年“唯一”の新規オープンのモールとなり、専門店約120~130店を展開する。

 新型コロナで日本全体に元気がない今、こうした商業施設がオープンすることで地域を元気にし、再び日本が元気になる一翼を担ってほしいと心から願っている。
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