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No.5

神奈川県、メキシコ・ビジネスセミナー開催、アグアスカリエンテス州知事も進出呼びかけ


2012/11/20

カルロス・ロサーノ・デラトーレ アグアスカリエンテス州知事
カルロス・ロサーノ・デラトーレ
アグアスカリエンテス州知事
 神奈川県は、横浜市内でメキシコ・ビジネスセミナーを開催した。メキシコの経済状況、投資環境、日系企業の進出状況などを紹介し、県内企業のメキシコ進出を広く呼びかけた。
 このセミナーは、日産自動車の誘致に尽力し、成功に導いた実績があるメキシコ・アグアスカリエンテス州のカルロス・ロサーノ・デラトーレ知事が来日し、神奈川県を訪問することに伴い開催された。日本の主要自動車メーカーがすでに進出しており、日産、ホンダ、マツダが新工場建設を発表するなど、北米や中南米向けの輸出・製造拠点として注目を集めているメキシコの経済状況や投資環境、日系企業の進出状況などを紹介した。
 カルロス・ロサーノ知事は、同州の経済開発局として1980年に初来日、日産の誘致を実現した。25回目の来日となる今回は、日本からの企業誘致だけでなく、友好を深める目的もあり、神奈川県知事や県選出の国会議員との会談、日本企業との懇談など積極的に活動した。
 セミナーで挨拶したカルロス・ロサーノ知事は、日産自動車がアグアスカリエンテス州に第2工場を建設する計画などや同州の状況などを紹介し「日本企業には進出を果たして、その技術を発揮し、すばらしい業績を収めて欲しい」と話した。
 セミナーでは、在日メキシコ大使館商務参事官のエサウ・ガルサ氏がメキシコの経済状況・投資環境について説明。北米・南米マーケットへの地理的優位性や広大なFTAのネットワークのメリットなどを紹介。平均年齢が27歳と若いため、マーケットとして魅力があるだけでなく、労働力が豊富であることなどをアピール。乗用車だけでなくトラックの産業が集積しており、部品サプライヤーのさらなる集積が必要であると語った。
 続いてジェトロ海外調査部中南米課の中畑貴雄氏が「メキシコ経済の特徴と日系企業の進出動向」のテーマで講演。94年にメキシコは通貨危機に陥ったが、今は欧州の国より健全であることを紹介。為替の影響と実質伸び率が低いため、賃金の伸び率が低く、その結果労働生産性が増加しており、コストが下がっていることなども説明した。
 最後に(株)ヨロズの顧問である加藤規康氏が同社のメキシコにおける拠点展開と経験について説明した。
 同社は、93年2月にアグアスカリエンテス州に進出。94年4月から生産を開始している。日産自動車の中期計画「日産パワー88」に対応して、メキシコ第2工場建設のFSを11年からスタート。12年3月に第2会社を設立した。当初、第2工場も第1工場と同じ場所に建設することを検討したが、タイの洪水などに見られるような同じ場所に工場を作ることのリスクや、地理的な問題からグアナファト州に建設することを決定した。6万m²の用地に3万m²の工場を建設する計画で、第1期はその半分の工場を建設する。第1期の投資額は約50億円。現在、組み立て・溶接工場の柱が建っている状況で、今後プレス工場の建設に着手する。操業開始は13年10月を予定している。
 同社では、メキシコのほかにインドネシア、タイ、ブラジルなどで工場の建設を進めており、すべての工場を同等のスペックでモジュール化して建設を進めることで工期の短縮を図っている。同社では、ロシアでの工場建設を検討していることも明らかにした。
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