商業施設新聞
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第235回

(株)ポトマック 常務取締役 COO 浜崎和弘氏


新しいティーカルチャー創出
モバイルオーダーや物販も展開

2020/6/23

(株)ポトマック 常務取締役 COO 浜崎和弘氏
 (株)ポトマック(神戸市中央区波止場町2-8)が運営するティーストア「THE ALLEY」は、2017年7月に日本に初出店した「THE ALLEY サナギ新宿 フードトラック」を皮切りに、全国で計32店を運営している。直近では4月に開業予定の商業施設「WITH HARAJUKU」にも出店予定で、店舗数を好調に拡大し、確かなクオリティのティーに多くの人が虜になっている。同社の常務取締役 COOの浜崎和弘氏に話を聞いた。

―― ブランドの概要から。
 浜崎 THE ALLEYは「It's time for tea お茶に恋をする、美しい生活」をコンセプトにした台湾発のティーストアだ。「初めて飲むと驚きを感じ、2回飲むと好きになり、3回飲むと恋しくなる」をテーマにしており、お茶を通して自分たちが感じる美学や、人生を謳歌することを伝えたい。そんなメッセージを込めた商品を展開している。

―― 商品の名前などが特徴的なテイストです。
 浜崎 台湾のブランドなので、日本にはない様々な要素がたくさん散りばめられている。パッケージなどに使われている鹿も、台湾では幸福を連れてくる神様として存在しており、このように独特なスピリチュアルなエッセンスも加わっているのだ。お茶というオーガニックなもので、ブランドの持つ神秘的なマインドを商品の名づけなどで表現している。
 また、ティーだけでなくフードを取り扱っているのも特徴で、グリルドパオやサラダ、マフィンなどを販売している。グリルドパオは角煮を挟むことが多いのだが、あえて日本風にアレンジして厚焼き玉子やサバを挟むなど、台湾らしさと日本らしさを融合させたフードとなった。全世界のTHE ALLEYの中でフード展開を始めたのは日本が初めてであり、フード開発は当社で行った。今では海外店舗でもフードを取り扱うようになっている。フードはランチ需要もあるので、男女問わず幅広い層にご利用いただいている。

―― 客層について。
 浜崎 女性が8割ほどを占めるが、恵比寿などは男性客が開店当初からおり、ランチタイムはお昼のついでに、夜は飲み会の後にデザートを買う感覚で来店している。またモバイルオーダーを導入しており、今までは混雑しているからと立ち寄れなかった人たちの来店も増えてきた。さらに店舗の雰囲気も、かわいいだけに寄りすぎず、黒をベースにしたデザインでかっこよさを表現し、様々な年代の人でも寄りやすいよう心がけている。

―― ブランド全体のビジュアルについて。
鹿をモチーフとした個性的な店舗デザイン
鹿をモチーフとした個性的な店舗デザイン
 浜崎 ブランドを確立させるために、ビジュアルや見え方には非常にこだわっている。本格的なグローバル展開に伴い、今までロゴに入っていた漢字「鹿角巷」をとってアルファベットだけのロゴになったのだが、このアルファベットだけの見え方が、昨今増えてきている若い女性をメーンターゲットにした“カワイイ”ブランドとの大きな差別化にもなっていると思っている。パッと見た瞬間に、ほかのブランドとは違うと感じさせる“something”を大事にしている。

―― 出店について。
 浜崎 現在店舗数は32店で、そのうち路面店16店、SC店16店となっている。今後は商業施設にももちろん出店を進めていくほか、路面店でもイメージやターゲットの合う場所があれば出店していきたい。また、関東以外にも、名古屋や関西地区にも店舗網を広げていくなど、まずは主要都市での展開を重視していく。ここ最近は各方面からオファーをいただいている状況だ。

―― 今後の展開は。
 浜崎 4月にはWITH HARAJUKUに約70坪の大型店をオープンする。この店舗は既存店よりもデザインをバージョンアップするほか、席数も多くし、新たにフードの商品開発なども進めている。また物販も計画しており、ティーストアであるTHE ALLEYならではの商品を販売する予定だ。

―― タピオカブームをどう見ますか。
 浜崎 ここ数年のタピオカブームによってティースタンドは完全に飽和状態にあると思っている。今後生き残っていくためには、ブランドの持つアイデンティティや味など、その場に引き付けてさらに時間を過ごすのが楽しくなる、そんな体験を提供できるかどうかが重要になってくる。そのような体験が重なって、初めて生活に根差したものなると考えている。
 THE ALLEYの目標は、クリエイティブなティードリンクを通じて、生活に感動を届けること。新しいティーカルチャーを創り出していきたいと考えている。

※このインタビューは4月7日の緊急事態宣言発令前に取材したものです


(聞き手・新井谷千恵子記者)
※商業施設新聞2340号(2020年4月7日)(8面)
 商業施設の元気テナント No.233

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