6月21日、翌日にオープンを控えた(株)ヤマダ電機の「LABI広島」の記者説明会&内覧会に参加した。LABI広島は「天満屋 広島八丁堀店」の後継テナントとして、5フロア(1~5階)、売り場面積約1万2200m²の規模で出店。LABI業態としては、11年11月に開店した「LABI名古屋」、12年4月に開店した「LABI大船」に続く22店目となる。筆者はLABI名古屋の記者説明会&内覧会にも出席したことがあり、「LABI1なんば」もよく利用するので、見慣れた風景が続くのかなぁ~と思っていたが、LABI広島ではいきなりビックリさせられた。
記者会見後、内覧会は3~4つのグループに分かれてスタートした。筆者はAグループとなり、まず最上階の5階までエレベーターで上がった。5階は、ゲームやCD/DVDソフトの売り場が設けられ、紫色のカラフルな内装が施されていた。「名古屋とあまり変わらないなぁ~」と呟こうとした瞬間、「J・!・N・S」の文字が目に飛び込んできた。「えっ、J・!・N・Sって、眼鏡チェーンのJINS(ジンズ)?」。すぐさまヤマダ電機の係員を呼び、確認したところ、「LABI業態では初めて、ジンズさんにテナントとして入居してもらいました」と教えてくれた。LABI業態に他社のチェーン店を導入するケースは今まで見たことがなく、予想もしていなかったので、写真を撮り続けながら、思わず見とれてしまった。
それだけではない。ジンズの横に設けられたおもちゃ売り場も、過去に例を見ない売り場面積で、おもちゃの品揃えも豊富であった。さらに、おもちゃ売り場の横には「キッズコーナー Yu kids Island」を設置しており、平日は無料で利用できるなど、子供たちが遊べる空間も用意している。もちろん、最下層の1階フロアには、LABI名古屋のように、10~40代の女性をターゲットとした「For Ladies コーナー」も設置。このように、男性だけではなく、子供や女性も楽しめるような売り場づくり、その工夫が随所に垣間見られた。
4階も目を見張った。同社は、昨秋から今年にかけて、エス・バイ・エル(株)や(株)ハウステックホールディングスを買収。これにより、家電だけではなく、住宅設備も販売できるようになった。実際、LABI広島では4階に「トータルスマニティライフコーナー」を設置し、システムバスやトイレ、洗面化粧台などが所狭しと並んでいた。同コーナーの周辺には、「配送受付カウンター」「コンシェルジュカウンター」「企業法人・官公庁専用窓口」を配置し、顧客の様々な悩みに対して、即座に対応できる体制を整えている。現に、コンシェルジュカウンターでは、4月の新生活や新婚生活の相談が多いという。
子供や女性も楽しめる売り場があり、家電から住宅設備まで、生活に欠かせない商品を取り揃えたLABI広島。同店は、単にLABIが中国地方に初出店したというだけではなく、ヤマダ電機が次に挑戦しようとする「専門店のSC化」の序章、いや試金石かもしれない。本紙6月26日号で家電量販店の特集を組んでいるが、果たしてヤマダ電機は「テックランド」「LABI」に次ぐ、新たな業態を創り上げるのか。個人的には、「ヤマダショッピングセンター」のような新しい施設が誕生することを願って止まない。