電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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スマホ「5G対応で台数増加へ」


~「第38回 ディスプレイ産業フォーラム」開催(3)~

2020/1/24

ディレクター ジュシー・ホン氏
ディレクター ジュシー・ホン氏
 大手調査会社のIHSマークイットは、1月30~31日に国内最多の受講者数を誇るFPD市場総合セミナー「第38回 ディスプレイ産業フォーラム」を東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区)で開催する。本稿では注目の講演内容を登壇アナリストに聞く。第3回は「スマートフォン市場」を担当するディレクターのジュシー・ホン(Jusy Hong)氏に主要テーマを伺った。

 ―― スマートフォン(スマホ)市場の最新予測は。
 ホン 2019年は13億9100万台、20年は14億2600万台と予測しており、過去2年の前年比マイナスから20年はプラスへ戻る。台数ベースで市場の27%超を占める中国は、17~19年の3年連続で前年割れが続いたが、20年は買い替えサイクルと5Gの普及でプラスに転じることが大きく寄与する。
 また、インド、インドネシア、マレーシア、アフリカといった新興国市場も好調とみている。軽量版OS「Android Go」により50ドル以下の低価格スマホが増加。このテキスト読み上げ機能が多言語エリアでのコミュニケーションツールとして受け入れられ、フィーチャーフォンからの切り替えが進むと考えている。

 ―― 主要ブランドは。
 ホン ファーウェイは19年が2億4500万台、20年は2億3500万台と若干減少するとみている。これは、米国のエンティティリストに残ったままで、海外市場でGoogle Playストアやアプリにアクセスできない状況が続くことを前提としている。この状況だと、海外市場では旧モデルの販売が中心になるため、中国市場の開拓に集中せざるを得ず、2億台はシェアを伸ばす中国国内向けになる。
 逆に、この恩恵を最も受けるのがサムスンで、19年の3億台弱から、20年は3億1500万台まで伸ばすと想定している。

 ―― アップルや他の中国ブランドは。
 ホン アップルも伸びる。19年モデルが好調なことに加え、20年春には(仮称)SE2の発売、秋の20年モデルは5G対応などのアップデートがそれぞれ見込まれるためだ。19年は1億9300万台、20年は2億400万台と予想している。
 中国ブランドでは、シャオミーが20年は微減、オッポとビーボは微増とみている。オッポのサブブランド「Realme」がインドなどで好調で、シャオミーの「Redmi」からシェアを奪いそうだ。

 ―― 5Gスマホの見通しはいかがですか。
 ホン 19年12月時点で20年の5G比率は16%とみていたが、上ぶれる可能性が高く、20%に届くかもしれない。背景にあるのが、5G端末の急速な低価格化だ。当初は500ドル以上したが、直近の発表では300ドル以下の端末も出てきた。アプリケーションプロセッサーとモデムを統合したクアルコムのミドルレンジ端末向け「Snapdragon 765シリーズ」などの1チップSoCが登場したことが寄与する。

 ―― アップル新モデルの5G対応も大きく影響しそうですね。
 ホン アップルは5Gインフラの導入が早い欧米市場でシェアが高いため、現在のところ20年モデルはすべて5Gに対応すると想定している。サブ6だけでなく、ミリ波までカバーするかは不透明だが、米国では一部エリアでミリ波がサービスインしているため、部品コストは上昇するが、一部のモデルで対応する可能性はある。

 ―― 5G対応でBOMコストはどのくらい上昇しますか。
 ホン アンテナやRFパワーアンプなどの追加分として、サブ6対応だけならLTE比で1台あたり45~55ドルだろう。ミリ波にまで対応すると、この倍になる。端末各社は上昇分をカバーする目的で、統合SoCの採用やメモリー搭載容量の抑制などでコストダウンを図ろうとするため、他のデバイス市場に少なからず影響を及ぼす。
 また、コストダウンを実現するため、サムスンやLGなどがODM(Original Design Manufacturer)やIDH(Independent Design House)の活用を増やす。フォックスコンに加え、ウイングテックやHuaqin、ロングチアーらが活躍しそうだ。

 ―― スマホにおける注目技術は。
 ホン カメラ性能の向上、なかでも高画素センサー、ペリスコープ構造による高倍率レンズ、ToF(Time of Flight)の採用に注目している。高画素化では1億800万画素のCMOSセンサーが登場。ペリスコープによって、光学ズームは従来の3倍から10倍を実現できるようになる。ToFはアップルが20年モデルから背面に搭載予定だ。

 ―― フォルダブル端末の今後について。
 ホン サプライチェーンがまだ限られており、19年は50万台にとどまったが、20年は300万台に増えるとみている。サムスンのGalaxy Foldはとても高価だが、一方でユーザーの満足度も高い。ただし、ディスプレーやヒンジなどの破損がまだ懸念されるため、世代を重ねていけば改善が進むはずだ。

(聞き手・編集長 津村明宏)



「第38回 IHSディスプレイ産業フォーラム」の詳細情報はセミナー事務局(E-mail : mitsuhiro.kato@ihsmarkit.com、Tel.03-6262-1824)まで。
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