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第5回

ソウルオブジャパン(株) 代表取締役社長 エロル・エメド氏


170億円投じ三重県にサーモンの新工場建設、22年1月の稼働を目指す

2019/2/12

 アトランティックサーモンの養殖を手がけるソウルオブジャパン(株)(東京都港区南青山5-4-35、Tel.03-6379-2480)は、三重県津市森町のニューファクトリーひさい工業団地への進出を決定し、2019年夏にも着工する。170億円を投じる新工場は年産1万tの能力を備え、フィレなどに加工しスーパー、コンビニなどの量販店や各種外食産業向けに販売を予定している。まずは国内サーモン市場の10%シェアを獲得する構えだ。今回は同社を陣頭指揮で率いるエロル・エメド社長にお話を伺った。

―― お生まれは。
 エメド 1963年にイスタンブールで生まれた。父はトルコの銀行マンであり、とにかく忙しい人であった。「正直」であることをモットーにしており、それは子供である私にも引き継がれている。私も銀行マンとして長く働き、30年以上日本でビジネスをしてきた。それだけに日本に工場を作ることはわくわくしている。

―― どうして三重県を選ばれたのですか。
 エメド 私たちが手がける閉鎖循環式陸上養殖(RAS)によるアトランティックサーモンの生産・加工には、豊かな自然ときれいな水が必要になる。茶畑が美しく、伝統のある伊勢神宮もある三重県は最適と考えた。日本以外の国に工場を作るプランもあったが、食品安全、環境配慮、そして何よりも勤勉な労働力を持つ日本は魅力的であった。土地や人件費などのコストは、日本の場合飛び抜けて高いが、生産性を考えればトータルコストでは勝つとも考えた。

―― 日本国内市場の狙いは。
 エメド 実は日本こそ十分なサーモンの市場があると思う。かつては水産王国であった日本は200海里問題などもあり、現在の魚貝類はひたすら輸入に頼っている。サーモンについていえばチリからの冷凍ものが一番多く、おそらくは25万tを輸入している。ほぼ全量が輸入であり、一番人気のアトランティックサーモンについては8万8000tを輸入・消費している。もちろん、加工しているサーモンを含めてのことだ。私たちが日本国内で作るサーモンは新鮮でうまいことがメリットであり、まずは10%シェア獲得を目指していく。

―― 新工場の概要については。
 エメド ニューファクトリーひさい工業団地の中に13万7000m²の用地を取得した。ここに生産工場約6万m²と加工工場約1万m²を建設する。19年6月に着工し、22年の1月に稼働し年間約1万tの生産を目指す。アトランティックサーモンの工場としては日本初の進出となるものだ。従業員は10人から始め、最終的には130人にしていく。商品出荷は23年の4月からになる。

―― ターゲット市場は。
 エメド サーモンを扱うところであればどこでもよいと考えている。しかし、まずは大都市の量販店からスタートし全国に展開、スーパー、百貨店、コンビニに出荷していきたい。もちろん、すし店、和食・中華・養殖などのレストランにも出荷を拡大していく。アトランティックサーモンは今や世界で超人気であり、中国は数年前に4万tを輸入していたが、現在は15万tになっており、かなり早期に30万tに行くだろう。そうなると、サーモンは日本に回ってこなくなる。そうした状況にあって、日本には十分マーケットが出てくると分析している。かなりの売り先を確保しているが、その担当者たちはかなり強気であり、「ジャパンプレミアム」を作れば、日本周辺の国にも売れる可能性は十分にあるという。

―― さて、日本という国のいいところは。
 エメド 日本人の素晴らしいところは厳しい意見交換をしても一緒に仕事ができるという国民性にある。対立しても、少々のいさかいがあっても目的に向かっては一致団結していく。仕事に対しては夢中になり、超まじめなのだ。私の生まれ育ったトルコに似ていることは、職場が家族のようになっていることだ。しかして、世界を見渡しても、これだけきっちりと細やかにモノづくりをする国民はそうはいない。そして上司も部下も言いたいことは言える、という環境もすばらしい。

(聞き手・特別編集委員 泉谷渉)

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