商業施設新聞
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第159回

PORT STYLE(株) 代表取締役 水木秀行氏


3つの価格を設定した帽子専門店
18年は中部、19年は仙台に進出

2018/12/11

PORT STYLE(株) 代表取締役 水木秀行氏
 神戸旧居留地に本社を構えるPORT STYLE(株)(神戸市中央区江戸町100、Tel.078-381-6826)は、帽子という商材を武器に、インターネット通販からリアル店舗へと業容を広げ、10月時点での店舗数は39店を数える。帽子専門店「14+(ICHIYON PLUS)」の魅力や今後の展望について、代表取締役の水木秀行氏に話を聞いた。

―― 貴社の沿革を。
 水木 2005年3月に設立した会社で、18年で14期目を迎えた。設立当初はネット通販のみ行い、様々な商材を扱っていた。しかし、当時は今よりも帽子はメジャーなアイテムではなく、帽子が好きなお客様にしかリーチできなかった。これまで被ったことのないお客様にも興味を持っていただくためには、リアル店舗が必要だと感じ、実店舗への展開を模索した。手始めに、「イオンモール姫路大津」に催事出店したところ、お客様から大変好評いただいたことから、09年6月、帽子専門店「14+」の第1号店となる「イオンモール草津店」をオープンした。
 その後は2号店を「神戸国際会館SOL」に、3号店を「なんばCITY」に、4号店は「イオンモール伊丹昆陽」に、5号店は「西武八尾」に出店した。当社の店舗は、トラフィックが多い商業施設内への出店を基本としており、できるだけ顧客ターゲットを絞っていない、老若男女が訪れる施設への出店を目指している。

―― 店舗数や店舗フォーマットについて。
 水木 10月時点で、北海道、青森県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、岡山県、広島県の1都1道2府11県に39店を展開している。店舗面積は、最大で112m²の「神戸ハーバーランドUMIE店」があり、小型店としては49m²以下の店舗もあるが、平均すると49~66m²となる。出店立地は郊外型ショッピングセンターに加え、最近は駅前や駅ビルへの出店も増えており、駅ビルでは「トリエ京王調布店」や「阪急梅田三番街店」などがある。11月には「八王子オーパ店」をオープンする予定だ。

―― 店名の由来や強みを。
 水木 14+の意味は、「1」を“棒”に見立て、4を“シ”と呼ぶことで棒シ=帽子となる。帽子は日本の総人口の半分しか持っていないという調査結果があり、ファッションでも最後に選ばれるアイテムのため、ファッションにプラスしようという意味を込めて、14+を店名に起用している。
 14+の強みはやはり価格設定だ。同店では2500円、3500円、4500円の3つの価格のみ用意しており、お客様が分かりやすい価格設定を心がけている。また、2点ご購入で1000円OFF、3点以上ご購入で20%OFFの価格を設け、まとめ買いやシェア買いも促している。分かりやすい価格を提案することで、帽子ファンをひとりでも多く増やしたい。

―― 貴社はネットも、リアルも手がける。それぞれの強みとは。
 水木 ネットは、前述の3つの価格を設定した際に売り上げが落ち込んだが、ZOZOTOWNに出店したことで知名度が上がり、売り上げは回復傾向にある。今後はソフト面を強化し、ネットならではの切り口を作る考えだ。
 一方、リアルはネットと違い、帽子を購入する目的がないお客様も来店する。こうしたお客様が14+に何のために来店したのか、お客様のニーズは何なのかを接客で汲み取り、その声をデジタルで各店舗が共有する、これがリアルならではの強みと言える。

―― 今後の展望を。
商業施設内に出店する帽子専門店「14+」
商業施設内に出店する帽子専門店「14+」
 水木 新規出店は今後も継続的に行う。現在、北は北海道から南は広島県まで店舗を展開しており、18年は中部エリアに初出店した。すでに6月に「イオンモール岡崎店」「イオンモール大高店」「イオンモール名古屋ドーム前店」をオープンしており、19年以降も同エリアで新規出店を計画している。
 このほか、19年は仙台市にも出店する予定だ。さらに、8月には東京オフィスを開設しており、今後は関東エリアでの出店も強化する。なお、店舗面積は49~66m²を目安に、アイテム数は200~300アイテムを想定し、立地は郊外型SCだけでなく、駅前や駅ビルにも展開していく。

(聞き手・岡田光記者)
※商業施設新聞2271号(2018年11月20日)(5面)
 商業施設の元気テナント No.224

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