商業施設新聞
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No.661

サービスエリアのトイレも進化中


今村 香里

2018/6/26

 3月18日、兵庫県宝塚市に「宝塚北サービスエリア」(宝塚北SA)がオープンした。新名神高速道路のうち、新たに開通した川西ICと神戸JCT間にあり、上下線集約型のSAとなる。24時間稼働のスマートインターチェンジも併設しているので、市中からスムーズなアクセスが可能だ。

 NEXCO西日本管内で最大級のSAであり、全体的な景観や建物のデザインは、宝塚駅から宝塚大劇場へと続く「花のみち」をイメージし、宝塚の街並みを再現している。建物も「宝塚モダン」を意識した洋館風にする徹底ぶりだ。

 ここで注目したいのはトイレ。パーキングエリアやSAでは、トイレ休憩で停車する自家用車、トラック、高速バスなどの影響により混雑することが多いが、同SAでは、メーンと繁忙期用に開放するサブを合わせて、女性用86ブース、男性用58ブースと、数多くのトイレを設置している。配置の仕方を見ても、混雑緩和を図るため、男性・女性用とも空きブースが一目で見わたせるようになっている。機能面では、女性専用のパウダールームは広く、着替えができるフィッティングブースも備えられており、混雑時でも着替えや身だしなみのチェックが余裕をもってできそうだ。なお、女性用には宝塚らしい豪華なシャンデリアもあり、心地よい気分で利用できる。

全体が見渡せる「宝塚北SA」のトイレスペース(女性用)
全体が見渡せる「宝塚北SA」の
トイレスペース(女性用)
広々とした女性用パウダールームには椅子付きブースも完備
広々とした女性用パウダールームには
椅子付きブースも完備

 一方の男性用でも、長距離ドライバーなどの利用を想定した洗顔洗髪コーナーを設置。このほか、ベビールームや子ども用トイレスペース、多機能型トイレも充実しており、数、デザイン、機能のあらゆる面で優れたトイレに感心した。

 さらに、トイレスペースの前には、ソファやデジタルサイネージを設置し、待ち合わせに利用できる広々としたペースもあって、家族連れなどに便利である。

 最近は、商業施設のトイレの充実は当たり前で、パウダールームはもちろん、各フロアでコンセプトを変え、休憩ソファやアロマディフューザーを設置するなど、各施設が工夫を凝らしている。「渋谷ヒカリエ」がオープンした際、トイレを取材した時は感動したが、現在はこのような取り組みも多方面に広がっている。高速道路沿いのSAが商業施設化する中で、トイレも商業施設並みに充実してきたといえるだろう。

 取材などで移動が多い職業柄、トイレでメイク直しや一息つくことが多いので、綺麗で快適に過ごせるトイレの場所はあらかじめチェックしている。デザインや機能面が充実している便利なトイレが増えることはありがたい。
 このほか、宝塚北SAでは宝塚を代表する手塚治虫氏のキャラクター『リボンの騎士』のオブジェ、宝塚歌劇団の衣装が展示してあり、宝塚の新たな観光名所になりそうだ。買い物や飲食のついでに是非トイレにも立ち寄ってもらいたい。
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