メキシコのアグアスカリエンテス(AC)州および国際協力銀行(JBIC)主催による提携行向けセミナー兼意見交換会が、東京都内のJBIC本社で開催された。AC州のマーティン・オロスコ・サンドバル知事は開会の挨拶で、同州と日本との関係やNAFTAの今後の方向性などを紹介した後、「もっともっと投資を呼び込みたい。政府は透明性をもって対応したい。日本とAC州の良い関係をこれからも続けていくことを願う」と語った。
セミナーでは、アルベルト・アルダペ経済開発長官が同州について講演した。AC州は、面積は5616km²で、人口は131万2544人。人口増加率は2.2%で、メキシコ全体の1.4%を上回る成長率となっている。メキシコの中央部に位置しており、良好な交通網があり、物流面でも重要な拠点となっている。
電気の供給に関しては、今では民間の参入が許されている。安定供給が保証されているため、同州は自動車の製造拠点となりえたとしている。また、太陽光発電所にも多くの投資が行われているが、現状日本からの投資はない。日照時間が長く、温度差が少ないという太陽光発電にとってのメリットもあり、この分野での日本企業の投資も呼びかけている。
州内には、開発中も含め23の工業団地が所在。民間との共同開発や進出している企業との共同開発なども行っている。
また、州内には、質の高い5つの大学があり、33の高等教育機関がある。日本語とスペイン語のバイリンガル教育を行う学校もある。
ビジネス環境では、産業エリアでは48年以上ストライキがない。オロスコ知事が政権を担って以降研究部門に注力しており、8つのセンターがある。イノベーションセンターは自動車産業について研究しており、電気自動車や自動運転車の開発などを行っている。
メキシコは46カ国との間で12の自由貿易協定を締結しており、進出している企業はメキシコの企業と同等の権利を享受できる。アルダぺ長官は「NAFTAの再交渉はより一層大きなチャンスをもたらすと期待している」と語った。
セミナーでは、その後、進出事例紹介や質疑応答などを行った。