商業施設新聞
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第104回

千房(株) 専務取締役 中井貫二氏


客層絞った新業態店に注力
海外展開が加速、新店も計画

2017/11/14

千房(株) 専務取締役 中井貫二氏
 千房(株)(大阪市浪速区難波中1-10-4、Tel.06-6633-2131)は、全国でお好み焼き屋「千房」を中心に64店を展開している。また、新業態開発にも力を入れており、35年前の1982年から鉄板焼き店も出店してきた。最近では、鉄板焼きの経験を生かし、女性をターゲットにした店舗やフードコートにも出店可能でカジュアルなお好み焼き屋もオープンしている。今後の展開について同社専務取締役中井貫二氏に話を聞いた。

―― 現在、営業している業態は。
 中井 基本的な業態は、お好み焼きや焼きそばなどを提供する「千房」(50店)と、フルカウンターでお肉などの鉄板料理も提供する「ぷれじでんと千房」(6店)、そしてお好み焼き以外に、一品料理なども豊富に取り揃えている「エレガンス千房」(6店)の3種類だ。

―― 各店舗とも個性的ですね。
 中井 現在出店している64店はすべて内装からメニュー、厨房までそれぞれ店舗によって違う。画一的にパッケージ化された店舗よりも、ブティック店のようなこだわりのある店舗を出店している。
 こだわりは運営面にもあり、例えば、従業員自らお客様の水を注ぐなど非効率なものこそ付加価値を生むと思っているので、フルサービスにこだわった店舗運営をしていきたい。

―― 最近の新業態の動向は。
Chibo
Chibo's Kitchen ららぽーと甲子園店
 中井 3月に兵庫県で、カジュアルな業態として「Chibo's Kitchen ららぽーと甲子園店」をフードコートに出店した。「ちぼっと焼」(500円前後)と呼ばれる今川焼の機械をお好み焼き用に改造し、生地を型に流すだけでできるミニお好み焼きのようなものを販売している。短時間で提供できるため、SCのフードコートでの出店に対応でき、これをきっかけに、ファミリー層を強化することで、他の業態へも来店してもらいたい。今よりメニューなども増やし、オペレーションを確立することで、多店舗展開を進めていく。
 また、6月に出店した「JO-TERRACE OSAKA」にある「名代(なだい)千房」は、席に鉄板がなく、一品料理やアヒージョなども提供している。女性のお客様も強化していきたい。
 さらに、2017年末には大阪福島に千房の名前を出さず、鉄板焼き料理とわら焼き料理の居酒屋「弥栄(いやさか)」を初出店する。

―― 出店展開は。
 中井 年間2店の新規出店が目標だ。直営で運営するのは、当社自らオペレーション可能で、質の高いサービスを提供していくために大阪、東京、福岡、名古屋に限定する。一方で、その他の地域は元店長や元社員に、地元などでFC出店してもらい、進出していきたい。

―― 最近は、海外展開にも力を入れています。
 中井 当社は社長の方針で、3年前までは海外展開には消極的であり、25年前に出店したハワイ・ワイキキの店舗以外はなかった。しかし、私が3年前、この会社に勤務するようになり、社長を説得し、海外展開を本格化させた。
 今では、アメリカのハワイ店を除きすべてFCで、フィリピンのマニラ、ベトナムのハノイ、タイのバンコクに出店している。今後も、17年にフィリピンの2号店、18年にはベトナムの2号店も出店する予定だ。そのほかにもアジア圏を中心に出店のオファーがあるので、さらに海外にも店舗を広めていきたい。

―― 外食業界は人手不足だと言われています。対策は。
 中井 特別な対策は行っていない。毎年25~40人の新入社員を採用し、教育していく。パートタイマーやアルバイトの採用は各店舗に任せているが、給料を上げてもいいので、人材を確保してほしいと考えている。

(聞き手・岡田光記者/北田啓貴記者)
※商業施設新聞2216号(2017年10月24日)(8面)

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