駐日コロンビア共和国大使館、コロンビア貿易投資観光促進機構(PROCOLOMBIA)、日本貿易促進機構(ジェトロ)主催による「コロンビア・ビジネスフォーラム~貿易・投資機会について~」が、3月22日に東京都内で開催された。冒頭の挨拶で駐日コロンビア共和国特命全権大使のガブリエル・デュケ氏は、長年の課題であった内戦の和平交渉がまとまったことにより、日本との間で経済協定締結に向けた動きが大きくなっていると紹介した。
基調講演ではPROCOLOMBIA総裁のフェリペ・ハラミージョ氏が、「新生コロンビアの貿易・投資機会について」のテーマで講演した。
コロンビアは、長年続いた内戦が和平によって終結し、貿易が大きく伸びてきている。国全体に平和が満ちあふれており、農村部でも外資が進出できるようになった。日本とコロンビアは重要な友好国で、アジアからの投資では日本が1位となっている。11年に2国間貿投資協定を締結。コロンビアはラテンアメリカおよびEUと自由貿易協定しており、また米州の中心部にあるため、貿易のハブとして活用できる。経済も安定しており、02年に49.7%だった貧困率は15年には27.8%まで減少、併せて中間層が15年には30.5%まで増加している。
農業の分野では、内戦終結によるエリア拡大で高いポテンシャルを秘めている。インセンティブも出しており、特に内戦の影響を受けた地域には手厚いインセンティブがある。
コロンビアの輸出品目は、ここ数年鉱業以外が伸びている。日本向けでは、コーヒー、バナナ、ココアなどが多く、世界のココアのうち5%が高級品に分類されるが、コロンビアのココアはこれに相当する。また、水着や工芸品なども日本を含めたアジアで需要がある。
内戦が終結したため、外資企業も安心して投資ができるとしている。大企業だけではなく、中小企業も投資の機会が出てきており、日本の企業ではキャステムが進出し、ロストワックス精密鋳造品の製造・販売を行っている。
フェリペ・ハラミージョ氏は、「コロンビアは経済が好調で、たくさんの機会が存在する。質の高い労働力も提供できる」と講演を締めくくった。
続いて、ジェトロ海外調査部米州課 課長代理の中畑貴雄氏が、最新の進出日系企業の動向と経営実態調査について報告した。
進出日系企業のケーススタディーとしては、古河電気工業(株)情報通信ソリューション統括部企画統括部 部長の森平英也氏が古河電工グループのコロンビアへの投資について説明した。
古河電工は、地理的にメキシコ、中央アメリカ、カリブ海地域、太平洋南アメリカ諸国へのアクセスが容易であること、太平洋、大西洋に面した港があり物流の要所であること、アンデス共同体の加盟国であり、アメリカを含む多くの国と地域貿易協定を締結していることなどから、13年に古河コロンビアを設立。現在はボコタにセールスオフィス、カリ近郊のパルミラに光ファイバーケーブルの工場を有しており、工場では周辺機器の製造も始めている。今後、事業を拡大していく計画で、森平氏は「コロンビアをはじめ、関係各位の協力、支援に期待したい」と語った。
コロンビアの商品開発事業を手がける会社のケーススタディーでは、cacaoブランドで新たにチョコレート事業を展開する(株)Journey company取締役兼PR担当の石原なつみ氏がその取り組みについて紹介した。